2番目の。帝国民はいつか来るであろう継承の時に備えて欲しいというジェラール帝の願いに応じて帝国に仕える傭兵となった。
継承を受けるに値するものが現れた時にそれが現れるという話だったがまさかそれを自分が受けることになるとは思わない。
ジェラール帝は父であるレオン帝から継承を受けたらしいが血縁によらない継承が初めてとの事で帝国内は大騒ぎになっている。
「私に貴方の参謀となるよう指名がありました。」
納得のいかない顔でそう言うのはつい先日まで同僚であり友人であった宮廷魔術師のサジタリウス。
確かな人選だと思う、自分のような傭兵上がりの皇帝の手網を引けるのはこいつくらいだと思う。
「お前が近くに居てくれるなら安心だよ」
「…おや?いつもの覇気がないですね、お疲れですかオライオン皇帝陛下?」
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