桜が散る頃にはエピローグ
チュッチュッと口を重ねる水音が、薄暗く広めの和室に響く。銀時はすがるように土方の首の後ろへと腕をまわし、唇を喰むように夢中で舌を絡めてくる。
「ん、ん、む、あっ……」
土方もそれに応えるように舌を絡めていたが、やがて銀時の肩を掴んで顔を引き離した。分厚い舌から細い糸を垂らしながら、銀時が不満げに眉を顰める。
「えー、もっと」
「これ以上やったら、ベロが痛くなっちまう」
「いいよ、構わねぇから…」
銀時が続けようと、土方の襟元を掴み引き寄せるが、土方は軽く銀時の唇を咬むだけで、背中に回した腕にぎゅっと力を込めて抱きしめた。顔を銀時の肩に押し付け、無言のまま背中を擦る土方に、銀時は不服そうに言った。
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