主人公『埜雲くん……どうしてここに?』
埜雲「{主人公}さん。……貴方に……どうしても言わなきゃいけない事があって」
主人公『言わなきゃいけないこと……?』
埜雲「…………。……僕は、ずっと、図書室に独りぼっちで。友達も居なくて、本ばっかり読んで、空想に逃げて……」
埜雲「多分、それは…………現実が嫌だったからなんです」
埜雲「厳しくて苦しくて、息のしづらい現実世界が嫌で……何より、何も出来ない現実の自分が嫌いだった」
埜雲「何も面白くない、ドラマチックの一つも無い、そんな自分が」
主人公『埜雲くん……』
埜雲「……でも、貴方が来た」
主人公『!』
埜雲「貴方が、図書室の扉を開いてくれたから……何にも無かった現実の僕に、始めて物語が生まれたんです」
埜雲「これまでただの時間だった日々が、大事な1ページへと変わっていった。……貴方のおかげで」
埜雲「……ありがとうございました」
主人公『……ううん。それはきっと、私だけが理由じゃないよ』
埜雲「え……?」
主人公『埜雲くんが私を楽しませてくれたから、だから、物語が生まれたんじゃないかな』
主人公『私にとっては、埜雲くんのおかげで大事な1ページが生まれたんだよ』
埜雲「……!」
埜雲「{主人公}さん……」
埜雲「……話の、続きを聞いてくれますか?」
主人公『……うん』
埜雲「…………。……お話だったらきっと、僕達はここで終わりを迎えるんだと思います」
埜雲「{主人公}さんが卒業して、それで、ハッピーエンド。……」
埜雲「……でも僕は、貴方とその先の、現実の人生を歩きたい……!」
埜雲「幸せに終わった物語のその続きの、普通の幸せを……貴方と見たい」
埜雲「僕と……付き合ってくれませんか?」