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    虚のポイピク

    なんでも投げるところ。
    性癖に忠実。

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    POIPOI 12

    虚のポイピク

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    複数人と無理やりやらされているS▲とそれを見続けて精神が壊れているS▽の話し。
    モブ▲前提のS▽▲。救いは無いし、胸糞悪い。緩いけどR-18。自衛お願いします。

    一応注意事項
    ※性的虐待の表現があります。
    ※S▽に倫理観は備わっていません。

     その部屋には、小さな窓しか無かった。
     天井の近くに設置されたそこから見え隠れする曇りがちな空と、儚い街明かり。それと、双子の兄であるノボリだけがクダリを構成する世界だった。
     いや、違う。世界が広い事なんて、ずっと前から知っていた。けれども、理解するのを拒んでいた。それは黒い絵の具の様に、クダリの全てを塗り潰しこの場に漂う狂気を消してしまいそうだったから。
     クダリはすぐ側に敷いてある薄汚いマットレスへと、視線を移した。毛羽立ち、シミがこびり付き、燻製の様な匂いを漂わせるそれ。
     その上に横たわる、小さな体。
     クダリの片割れであり、唯一この世界の穢れを一身に受ける者。ボロギレの様な衣服の隙間から見え隠れする皮膚には、紫色に変色した痣や引っ掻き傷、それに歯型の跡が見えた。
     クダリがその体の上へと覆い被さる。起きて自分のことを見て欲しい思いながらも、目覚めないで欲しいとも思っている。
     あべこべ、だ。しかし、この矛盾すらもノボリという存在は分け隔てなく受け入れる。
    「ノボリ。昨日、何人とシタの?」
     耳元に口を寄せ、静かに問いかける。言葉と共に発せられた空気が、彼の産毛を揺らしくすぐったそうに体を揺らした。
     その動きが、昨晩の行為を思い出させる。
     きっとこれは、罰だ。この世に生を受けてしまった、という原罪に対する。



     ぼくの兄は、すごい人だと思う。それは他の人よりも凄い事をしたとか、能力が優れているとかでは無い。ぼくのことを守る、というゴールの無い目標を勝手に立ててそこに邁進している事だ。
     ノボリは太陽が沈み、窓の外に闇が迫ってくる時間になると目を覚ます。瞼が上がり、小さな瞳が見えるとぼくはとびきりの笑顔で、彼の起床を祝福するのだ。
    「おはよう」
     と言えば、ノボリは顔を引き攣らせる。それはまるで、この世界に蔓延る絶望を全て閉じ込めた様だった。
     また、バカな事を考えているのだろう。例えば、まだ生きている事や、この時間を迎えってしまった事。うだうだ考えていても仕方の無い事を、ノボリはいつも気にしている。
    「あ……もう、こんな時間、なのですか?」
     そう呟いて、激しく咳き込み始めた。ぼくは、その背中を摩る。だって、ぼくは彼の唯一の理解者であり、弟であり、庇護対象の様だから。こうするのが正解かな、と思う。それ以外の感情なんて、無い。本当は愛情だとか、同情があった方が良いに決まっている。けれど、ぼくはそれを知らない。知らないものは、表現出来ない。
     だから、単純作業をする様に小刻みに震える背中へ手を置く事しか出来なかった。
    「大丈夫? ノボリ」
     咄嗟に、心にも思っていない言葉が出てきた。
     大体においてこういう時、ぼくの心と体はバラバラになる。兄を心配する弟を装いながら、奥底ではノボリと男たちの行為を早く見たいと考えているのだ。その証拠にぼくの股間はまた、熱を蓄え始めている。ふぅ、と熱い息を吐いた。
     刹那、扉の向こうから無数の足音が聞こえ始めた。男が何かを叫んでんいる。ノボリの体がビクン、と跳ねた。可哀想に。きっと怯えているのだ。けれど、ぼくにはどうする事も出来ないし、しようとも思わない。
     荒々しく木製の扉が開いた。思った通り、いつも見る男たちがそこにはいた。泥の様な色をたたえた瞳。思考するのを放棄した人間特有のそれ。こいつらも、可哀想だ。現実を受け入れられなくて、自分よりも弱い存在に欲をぶつけるしか能がない。
    「いやだ……いやだ……いやだ……」
     狂った様にノボリが呟く。狂った、様に? いや実際、狂っているのだろう。そうでもしないと、この世界では生きられない。
    「おら、仕事の時間だ」
     男ーー父がノボリの細腕を掴む。
     ぼくたちの父は、碌でも無い人間だった。酒に溺れ、ギャンブルに溺れ、母に捨てられた。けれども、その母も所謂クズではあった。
     何故なら、こうなる事を知っていてぼくたちを、置き去りにしたから。腹を痛めて産んだはずの子供を、何の後悔も抱かずに捨てた。
    「……離して、ください……」
     弱々しく抵抗していたノボリの瞳と、ぼくの瞳が交わる。そうすれば彼は、何かに気が付いたような顔をして、力を抜いた。ぼくは、どんな顔をしていたのだろうか? 悲しげな顔? 死にそうな顔? それとも、憎悪に満ちた顔?
     そうして何の抵抗もしなくなったノボリを、父は引き摺る様にして外へと連れ出す。あの向こうは地獄だ。少なくとも、兄にとっては。
    「たく。暴れやがって」
     ノボリの姿が徐々に見えなくなり、扉が閉まる。きっとあの部屋に連れて行かれているのだ。そしてあの男たちは、こう思っているのだろう。ぼくが毎日この部屋の中で、惨めったらしく泣いていると。
    「うーん。今日は、すごいのが見れそう」
     膝を抱えて、窓を見上げる。汚く濁った月が見えた。
     きっとぼくはもう、あちらの世界には行けないのだろう。



     ノボリが出て行って、どれぐらい経ったのだろう?この部屋には時計が無いから分からない。けれどもそろそろ頃合いだと、思った。
     ぼくは足音を極力立てない様に歩き、扉を開けて外に出る。真っ暗な廊下が、口を開いて待ち構えていた。ここから先は、地獄だ。それでもぼくは全く怖くない。だってこの先には、ノボリがいるからだ。
     歩き慣れたフローリングを、前へと進む。突き当たりを曲がれば、光が微かに漏れている部屋があった。
     あれだ。あそこが、狂宴の会場だ。ぼくは扉の前に座り予め空けておいた、小さな穴を覗き込んだ。これはキッチンに転がっていた、先の尖った名前も知らない道具を使って空けたもの。
     本当は見てはいけないものだと、兄の優しさを裏切る行為だと、分かっている。けれどもぼくは、毎晩ここに座りノボリの乱れる姿を見た。それが、この世界で一番美しい光景だったから。
     ノボリの小さな体が男たちに取り押さえられている。両足を持ち上げられ、その間に男を招き入れな泣きそうな顔をしている。いや、実際泣いているのだ。でもそれは、ある一種の歓喜を、悦楽を孕んでいるのにノボリは気づいているのだろうか。
     男が大きく腰を動かす。兄の壊れそうに細い体が、大きく跳ねる。ぼくも、ぼくもあそこでノボリと繋がりたかった。
    「あぁ、ああ、あ、あ、あ」
     意味を持たない言葉が、ノボリの口から溢れ出る。ぼくはもう我慢出来ずに、自らの性器へと手を伸ばした。兆し始めていたそこは、たらたらと液体を溢す。男の腰使いが早くなる。あれを、知っている。精液が出る予兆だ。
    「中だ。中に出すぞ」
    「やだ、やだ! あぁああ!」
     言葉とは裏腹に、その顔は喜びで満ちていた。男の腰が小刻みに震える。もうノボリはメスにされていた。だから胎内に出されても、嫌悪の表情はしない。  
     ノボリの性器からは、力無く精液が出続けている。きっとオスとしての尊厳を失っている。そうしてぼくも、彼と一緒に白い液体を吐き出した。
    「ガキのくせして、こんな穴持ちやがって」
    「うぁ、あぁ……はぁ、あん……んぅ」
     性器が抜けていく感覚ですらも感じるのか、ノボリが悩ましげな声を出す。
     羨ましい。ぼくは何をすれば、あそこに入れるのだろうか? 父を殺して、この家を出る? しかしぼくは、外の世界を知らない。生きていく術を知らない。無知、なのだ。
    「あーー、女とは違う気持ち良さだ」
    「あ、ぎぁ……ああ、ああ」
     別の男が、ノボリと繋がる。羨ましい。なんて、羨ましいのだろう。
     すると男の指が、徐にノボリの乳首へと伸びる。小さなそこを、無遠慮に掴んで引っ張った。可哀想なほどに伸びるそこは、女性のモノの様に柔らかなそこは、僕の視覚を刺激した。
    「ひぎぃ、あ、まっへ……やらぁ……」
     ぼくはまた性器を擦り上げる手を早くする。あの男と同じ様に腰が震える。ノボリ、ノボリ。ぼくは君のことを。
     また、精液を出してしまった。汚いな、と思いつつ服で拭く。
     そうして再び扉の向こう側を見た時、ぼくは、薄汚れた壁際に天使が居るのを見た。見た? 違う。感じた、のだ。けれど、こんな世界で一番汚れている場所にそんな神聖なものが現れるのか? いや、待て分かった。実はここは、世界で一番、綺麗な場所なのだ。
     人間の欲が曝け出され、哀れな生贄がいる。ここは、まるで神のために用意された場所だ。
     受胎告知。
     突然、ぼくの頭にそんな言葉が浮かんだ。
     どういう意味なのか、学校に行っていないぼくには分からなかった。けれども、どうしてか今のノボリ当てはまると思っている。
     男たちの乱暴な腰を、その小さな体で受け止め子を成すための真似事をする。何も宿るはずのないそこ。けれども、もし、その体に生命が宿ったら?
     ぼくは、少しの間考える。大きくなった腹を愛しげに、撫でるノボリ。そこから産まれ堕ちるのは、果たして何なのだろうか。
     ぼくは、夢想する。きっとそれは、この世界を壊してくれる化け物かもしれないと。
     刹那、笑いが漏れる。みんな、狂っているのだ。こんな考えが咄嗟に浮かぶぐらいには。だからぼくは、ぼくだけは、この世界を愛しよう。この修繕不可能なほどに、壊れてしまったこの世界を。
     
     
     
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