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    aoi_Sadie

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    aoi_Sadie

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    しんどかった話
    上手く言語化できないのでここに置いておく。
    一応痛いので注意

    ガチで今日あったしんどい話部活でトンカチを使ってた。
    木に打ち込むわけじゃない。手元で小さく、曲がった釘を伸ばす作業をしてただけ。先輩たちと話しながらダラダラいつも通りやってた。
    ただその作業を何回も何百回もやってたせいでどうも適当になってた。別に釘くらいなら買えばいいじゃん、と心の中で悪態を付いてた。
    そんな時に先輩に話しかけられて、焦った私は思わずトンカチを強く打ってしまった。それも自分の親指に。
    当たったのは左手の爪の少し上。例えばスマホでフリックすると当たる、先端の上だった。爪にも当たったが、それよりも爪と剥がれるようにして当たった皮膚が痛かった。
    血は出なかった。一瞬でそれを確認し、冷汗を書きながら先輩の話に応じる。左手の親指は手のひらで隠し、サッと後ろにやる。先輩の話は全く入ってこなかった。
    適当にうなづいて話を終わらせ、焦ってトイレに駆け込む。抑えていた手を開くと、出血していた。
    でもわずかな量だった。だけど爪を伝って、親指全体は真っ赤に染まってた。指はジンジンと痛み、トイレットペーパーで抑えたがそれも染まり始めていく。ただ血が苦手な私は心臓がどんどん鳴っていた。それが私には隠さないといけないものだと思った。
    一息吸って心をおちつける。そして染まったトイレットペーパーを流して、トイレのバーを引いた。手洗い場で入念に洗って血を落とす。やはり出血量は多くなく、落とせば気づかれないくらいのものになった。ただ滅茶苦茶痛かった。
    隠せば大丈夫、家には絆創膏があるから平気、痛みには強い方だから平気...と暗示してからトイレを出た。

    活動が終わりに近づき、曲がっていた釘もほとんど無くなった。打ってしまった部分は白く腫れて、若干血が出て爪を伝っていた。赤くなった指先は乾燥し始めて、カサブタとなりかけてた。
    ただ痛みは相変わらずある。痛い、早く帰りたい、それだけをずっと考えてた。
    片付けがすぐ済むようにテキパキとものをしまっていく。先輩がものを受け取ってくれたので早く片付いた。
    だけど手渡ししたのがまずかった。赤くなった指先はすぐに先輩に見つかった。
    「怪我したの?」
    その言葉で私の頭はパニックになった。
    「あの、全然大丈夫なので。もう痛くないですし」
    嘘だった。痛くないわけない。だから早く終わらせた方がいい、と思ってた。
    「血が出ましたか?」
    「いやあの本当」
    「血が出ましたか?」
    「えっと......」
    「血が出ましたか?!」
    すごい気迫だった。嘘が付けないことが明らかっだった。どうしたらいいかわからなくなった私は、吃って心臓が大きく鳴って下を向く。先輩は相変わらず語気を強めて聞いてきた。
    「はい......でも本当に少しだけ--」
    「すぐに冷やしなさい!」
    先輩は洗い場所を指さす、私は何も言えなくなって洗い場所に駆け込んだ。
    バレてしまった、どうしよう。面倒くさいと思われたら、迷惑だと思われたら、それだけが頭の中に渦巻いて、鏡の前で自分が酷い顔をしていることに気づかなかった。
    気づいたのは、自分の服が水道で跳ねた水で濡れた時。洗っていた指先もカサブタが取れて、普通に見える。ただよく見ると白くなっているくらい。
    先輩の元に戻ると先輩は救急セットを持って待っていた。
    「こういう時に救急箱があってよかったね〜」
    他の先輩が言う。保健室に連れていかれるようなことがなくてよかったと息を漏らす。
    先輩は私の左手をつかみ、絆創膏を貼ってくれる。だが全然上手く負けてない。傷口に触られて、すごく痛くなる。だけど先輩の優しい物言いに、何も言えず、痛みと感情の昂りで、心臓が一気に煩くなった。
    「怪我したらすぐに言ってください」
    それが一番しんどい言葉だった。
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