ハニービー番外編『小さくなったこはくたち』見上げれば陽の光が眩しく、反射的に視線を逸らす。
厳しい寒さがほんの少しだけ和らいだ晴れの日、これは越冬の為に食糧を確保するには絶好のタイミングだ。
いつもなら朝早くから「天城の仕事は備蓄の食糧集めです」とHiMERUの冷静な声を聞き、陽が傾く時まで飛び回っている所だった。
ところが、今日は違う。
何も指示か無く、出発する時間にHiMERUへ話しかけても「今は忙しいので適当にどうぞ、休んでても良いです」と、追い払われてしまった。
その要因は昨日に遡る。
こはくへプレゼントだと、さくらからジュースの瓶を手渡された。
贈り主は、朔間零。
さくらと仲良く(零が一方的に)して貰っていて、こはくの事はつい最近見かけたばかりなのだが、どうやら気に入ったらしく、プレゼントを託されたとの事。
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