思い出すまでふ、と意識が浮上する。
腕を動かすと、素肌にシーツが当たる感触。
ぼんやりと目を開けると肌色が目に入って、驚いて飛び起きる。
するりとシーツが肌を滑り、素肌が露になって、ウィラは慌てて滑り落ちたシーツをかき抱いて体を隠した。
なぜ、なぜと疑問が思考を埋めつくす。
なぜ──服を着ていないのか。
「おや、目が覚めたかな」
突然かけられた声に驚いてウィラはそちらに視線を向けた。
そこにいたのは、濡髪をタオルで拭きながらこちらに近づいてくる白髪碧眼の男──ジョゼフ。
「昨夜は無理をさせたから…まだつらいなら寝ていていいんだよ」
そんな言葉をこちらに投げかけながら、ジョゼフは笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいて来る。
ウィラはそこから距離を取るように、体をずらしながら思考を巡らせる──が、自分の記憶は試合の途中で途切れている。それが、なぜこのようなことになっているのかがさっぱり思い至らない。
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