佐藤くんといさちゃんとアングラ男【雑伊】俺の名前は佐藤。
◯◯大学医学部医学科に通う三年生。
両親はそれぞれ外科と形成外科で働く医者であり、当然自分も両親と同じ道を歩むのだと信じて疑わず、小学生の時に書かされた将来の夢の欄にはいつも迷いのない筆跡で「いしゃ」と大きく書いていてなるべくしてここまできた男だ。
その頃から成績も優秀でいつも学年で1、2を争うレベル、習い事のサッカーではエースナンバーを任され六年生ともなると可愛らしかった顔も精悍に整っていき、高学年の女子のほとんどが自分のことが好きだというカオスな事態に巻き込まれることも多々あった。
学区内の自宅はちょっとした観光名所になっていて風邪でもひいて休もうものなら、届ける必要もないプリントを届けるのだと女子たちが教室内で大乱闘スマッシュブラザーズ(実写)になったほど。男子から羨むこと止むなしといった視線を多く浴びせられていた。
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