本人もこの通り反省していますので…… ●
民間保安企業のカフェテリア。次のミッションに備えての資料を、ジェラードがコーヒー片手に閲覧していた時のことだった。
ス、と一枚のメモ用紙程度の紙が、資料の上にかぶせられる。
「ん、……?」
コーヒーを飲もうとした手が止まる。それはジェラード宛の請求書だった。気取った英語でいやらしいほど几帳面に「紅茶代:セイロン」「紅茶代:アールグレイ」「ミルク代」「スコーン代」「クロテッドクリーム代」などが書かれており――請求者の欄にはこう書かれていた。「サイラス・ベンフィールド」と。
「はぁ⁉」
思わず弾かれたように顔を上げた。そこには例のオペレーターが、いつも通りの冷ややかな目でジェラードを見下ろしていた。
3217