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    アウgua?でいいのか? 8章と9章の間くらい? 今のところシナリオに登場するタテヘーは大体アかなと考えてます

    Guardはきょろきょろと顔を左右に動かしながら廃城の周りを歩く。
    自分が今持っている服を持ち主に返すためだ。
    昨日、遊んでいたら何かとがったものに服が引っかかってしまって肩のところが破れてしまった、だから直して欲しいと言って子供から渡されたものだ。
    それをさきほど修理し終わったので、今の時間なら子供は皆で外で遊んでいるだろうと思い、こうして探しているのだった。
    Guardは時々、子供だけではなく大人にも、服の修理を頼まれる。
    頼んできた人物が針を持っても大丈夫そうな年齢ならばやり方を教えたりもする。
    とはいえ、Guardは元々裁縫が得意だったわけではない。
    ロドスで基礎的なことは習ったが、ロドスにはGuardよりも裁縫が上手な人や、それを仕事としていた人もいるので、そういった人たちに頼むことが多かった。
    その方が早いし、綺麗に仕上がる―それに、正直に言えば、自分で縫うのが面倒だったいうのもある。
    そんなことをしているうちに、習ったこともほとんど忘れてしまった。
    自分がそんな状態になっていたのを後悔したのは、パトリオットが所属し、ロドスの一員として自分がついこの間まで戦っていたレユニオンという組織がどういうものなのかを知るため、ロドスとは合流せず、チェルノボーグに留まることを選んだ時だ。
    Guardは1人で自分の身を守り、自分の世話をしなければならなかった。
    さらに、Guardが身を隠しながらチェルノボーグを歩き、レユニオンの兵士たちを観察していると、傷ついたり家を失ったりした人々を見つけた。
    そういう人たちをGuardは見過ごすことはできなかった。
    そうすると今度は、Guardは自分だけでなく他者のために、怪我に適切な処置をする、食べ物を確保する、あるいは作るといったことをしなければならなくなった。
    今までは―ロドスにいた頃は、他人に任せることの多かった、裁縫や料理、負傷者の治療といったことを自分でやらなければいけなくなったのだ。
    遊撃隊と再会してからは、彼らと共に行動するようになったが、彼らはチェルノボーグから失われてしまった秩序を取り戻すため、混乱や暴力を取り除くため、やらなければならないことがたくさんあるので、自分の面倒を見させるわけにはいかないし、あまり頼り過ぎるわけにはいけない。
    ロドスで教わったことや、他のオペレーターがどうしていたかを思い出しながら実際にやってみたり、申し訳なく思いつつ持ち主の分からない本を拾って読ませてもらったり、感染者や遊撃隊に教わったりして、それらのやり方を学んだ。
    その結果、今では裁縫や料理をそれなりにできるようになってきた。
    レユニオンの仲間たちにも、この先何があるか分からないし、必ずいつか役に立つはずなので、なるべく自分でそれらのことができるようになってもらいたいと思う。
    そんなことを考えながら、Guardが歩いていると、
    「Guard」
    と突然背後から呼ばれた。
    振り返ると、アウローラがいた。
    遊撃隊は基本的にはレユニオンと別行動をしているが、時々会って情報交換をしたり、お互いのことを手伝ったりする。
    レユニオンから遊撃隊のところを訪ねることもあれば、こうして遊撃隊からレユニオンのところを訪ねてくることもある。
    今回遊撃隊は、一昨日ここに来て、今日はもう出発する予定だったはずだ。
    「どうした?」
    とGuardが言う。
    「ナインがどこにいるか知らないか?」
    「悪いが、今日は会ってないな。最近また俺たちに新たな仲間が加わったから、そいつらに会ってるのかもしれないな」
    「分かった」
    そう言って歩きだそうとするアウローラを、
    「……っ、アウローラ!」
    Guardが呼び止める。
    そして、空いた手でポケットからあるものを取りだし、それを勢いよく差し出した。
    「……これは?」
    「……俺はどう作るか知らないから、なんとなくで作ったんだが、一応……お守りだ。こういうものが実際に効果があるのかどうかなんて分からないし、これを渡したところでお前たちが無茶な戦い方を止めないなんてことは分かってるんだ。誰よりも前に出て、敵の攻撃をひきつけ、仲間を守るのがお前たち盾兵の役目だからな。俺にはそんなことは出来ないから、お前たちのそういうところを尊敬してはいるんだが……それでも、こういうものを渡しておけば少し安心できるかもしれないと思ったんだ……そんなに大きくはないと思うからは邪魔にはならないと思うんだが……いや、要らないなら要らないと遠慮なく言ってくれ……」
    Guardは自分の顔が熱くなっていくのを感じた。
    アウローラのことを見られない。
    早口になる。
    「……」
    アウローラは黙っている。
    とにかく何か言ってくれとGuardは思う。
    しかし、どんな答えが返ってくるのかという不安もあった。
    しばらくして、アウローラに差し出していた手が軽くなった。
    そこにのっていたものがなくなったのだ。
    「Guard」
    と名前を呼ばれたが、Guardは横を向いたまま、顔を動かさない―動かせない。
    「……」
    「……」
    しかし、とうとう沈黙にたえきれず、視線だけをアウローラに向けた。
    アウローラと目が合う。
    真っ直ぐにこちらを見る目と。
    ああそうだ―とGuardは思う。
    こいつはこういうやつだ。
    どうして俺は、こいつが呆れたり、からかったりするんじゃないかと思ったんだろう。
    こいつは正直過ぎるほど正直で、真面目過ぎるほど真面目な―時々どうしてそこまでと呆れたり、苛立つほど真っ直ぐな人間じゃないか。
    「感謝する。身につけておこう」
    とGuardを見たままアウローラは、お守りをアーマーの中へしまった。
    顔の熱がまだ冷めないGuardは、
    「……ああ」
    と答えるので精一杯だった。
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