瞳に映るのは自分だけがいい「…相変わらずすげぇ量だな」
そう呟きながら、俺は相棒が持ち帰ったのであろう、ダンボールの中に無造作に詰め込まれた手紙やら小包やらを見つめた。
俺があのガキに入れ込んだ時は、電波で掴めない風変わりな印象だったのもあり、そう敵は多くないだろう、と踏んでいた。
しかしよく考えたら地球人の中では容姿端麗の分類に入り、謎が多くミステリアス、かつ上辺っヅラは優しい、ときたらモテないわけがなかった。
おまけに隠してはいるが芸能人サマだ。
もしもアイツが顔出しなんかしたら、今以上に人気がでちまう。
そう思うとアイツが守ろうとしている覆面のブランドはありがたかった。
だが、時々考えることはある。
今のアイツは面白いものにしか興味がないみたいだが、もし地球人に本気で惚れ込んだら俺に勝ち目はあるのか、と。
846