通う者 二人別々で修行していたときのこと。突如、鉄の匂いが鼻を掠めた。身体を見てみても擦り傷がある程度で、特に異常はない。まさかと思い父へ視線を向ければ、やらかしたとばかりに尻餅をついていた。
慌てて近寄ると胸から腹にかけて服が焼け落ちてしまっている。露出する肌からは血が滲んでいた。
「大丈夫ですかっ!?おとうさん…!!」
「ああ平気だ、上手く避けきれなかっただけだ。」
恐らくエネルギー弾を自分に向けて発射していたのだろう。それを避けようとして、失敗しただけのようだ。痛がる様子も見せないのでひとまずはほっとする。しかし心配が不要になったことで、ふつふつと別の考えが湧いてきた。
呼吸に上下する胸腹部、運動後でかいた汗、疲労に吐き出されるか細い声。…色っぽい、そう思う自分がいる。事後を思わせる姿にボクは密かに欲情し始めていた。
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