とある鬼の話し【コンスタンの語り】
(降りしきる雨の音)
(揺れる明かりのパチパチとした鳴き声)
(退屈そうな息遣い)
暫くは止みそうに無いな。
一つ、暇潰しに物語を聞かせてやろう。
(向けられた視線のが3つ。待ってました!と言う眼差しと、暇だし聞いてやるよと言う視線と、怖い話は止してくれ!と言う視線。
あと二人居たが、一人は敵が来ないか警戒したまま洞窟の入り口を睨み付け、もう一人は洞窟の入り口辺りで涙を流す空を眺めながら煙を揺らしていた。)
あれは、俺が真っ白な平たい雪原を歩いているときの事だ。
雪は見飽きるほど見てきたが、その日の雪はいつもと違っていた。
休憩に数日滞在していた村を出るとき、そこの村長にこの先には暫くは村はおろか人の住む場所など無い、と伝え聞いていが進む先に足跡が見えた。
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