夜の向こう側【ヴェラン】「――はっ、はあ……っ」
悦楽の滲んだ乱れた呼吸がシーツに吸い込まれていく。
抱き込んだ腕の中で、ランちゃんの背中は汗でしっとりと濡れていた。俺も汗だくだけど。
俺たちは全身汗と他の体液で汚れている。
滑ったランちゃんの背中と俺の腹が重なって、熱い体温が伝わってきた。乱れた呼吸と同様に激しく上下するランちゃんの肩。
脱力した身体の重みでランちゃんを押し潰さないように、俺はランちゃんを抱きしめたままゴロリとベッドへ横たわった。ぎしりと軋む音が耳に響く。
「んん……っ」
「うー……、ごめん、抜いてなかった」
「はっ、あ……、うん……」
まだ熱の抜けない甘い声が返される。鼻にかかった声は、普段のランちゃんからは考えられない甘さが滲んでいて、俺の下半身はそれだけで元気を取り戻しちまうぜ!
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