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    Tyon。

    五悠を書いています。
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    @yon_472

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    Tyon。

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    五悠です。
    匂いについてのお話④

    モブ女性がちょっとでます。
    苦手な方はご注意下さい。

    #五悠
    GoYuu

    匂い④休日

    今日も、映画を観るために五条先生の家を訪れていた。

    「先生、おはよう。」
    「いらっしゃい、ゆうじ〜」
    「お邪魔します。」

    部屋に入ると、リビングのテーブルにはポテチとコーラが用意してある。
    ソファーには、呪力操作の特訓の時に使っていた呪骸替わりの、くまのぬいぐるみがちょんと座っている。
    先生は意外とマメで、いつもこういう風に用意してくれている。

    荷物を置いて、ソファーに腰を下ろした。
    先生も並んで腰を下ろし、リモコンを操作しながら「そう言えば新作あったよ〜今日はこれね」と映画を選択してくれる。
    俺はそれをぼうっと見ていた。

    「ねぇ、悠仁。何かあった?」

    ただ画面を観ていただけなのに、先生は何かを察したようだった。

    「え?特にないけど、なんで?」
    「…嘘だね。悠仁って嘘つけないでしょ。」
    「そんなこと、ないよ…」
    「最近、ずっと浮かない顔してるの気づいてる?」
    「え…」

    自分では上手く隠せていると思っていた。
    そう言えば、伏黒にも「最近、静かだな」と言われた気がする。あのとき、誤魔化したけれど、俺はそんなにも隠せていないのだろうか。

    「そんな分かるもん?」

    思わず先生に聞いてしまった。
    先生は持っていたリモコンの電源ボタンを押してTV画面を黒くしてから、俺の方へ向き直した。

    「分かるよ。今も上の空だったでしょ。」
    「そんなことないけど…」

    つい視線を逸らすと、先生に顎を掴まれ、無理にでも視線を合わせられる。

    「逃げてもダメ。ちゃんと言いなさい。」
    「ん〜、でもな〜」
    「さっさと吐いちゃいなよ。隠しても、この後良いことはないよ。」

    煮え切らない態度でいると、だんだんと先生の声色に重さが増す。
    これ以上隠していても、俺も先生も悪い方向にしかいない。仕方なく俺は白状した。

    「あのさ…五条先生、たまに香水つけてるじゃん。それって、本命なの…?」
    「香水って…」

    先生は少し考えたと思うと、すぐ明るい顔になった。

    「あれね!違う違う!あれは、腐れ縁みたいなもん。」
    「腐れ縁?」
    「そうそう、本命とかじゃないよ。」

    先生の話によると、香水を送った女の人は、実家の近くに住んでいる幼馴染で、歳が近いせいか幼い頃からよく関わることがあったらしい。そんな縁で今でも先生のことを気に掛けてくれているみたいだ。「女というより、口うるさい姉貴って感じ」と話してくれた。

    「『良い歳して、相手がいないのは身だしなみのせいよ!』とか言われて、貰ったんだよね。付けてないと、『何で付けてないのよ!』って一々煩くてね。」

    先生は、その女の人の口調を真似ながら、少しふざけて、香水の経緯を話してくれた。
    それを聞いて安心したからか、胸にあった錘がスッと軽くなるのが分かる。

    「あははは、先生、それモノマネ?酷すぎん?」

    先生のモノマネは誇張しすぎて面白かった。
    心の底から笑えた。
    すると、頭にぽんと先生の手が置かれ、撫でられる。

    「やっと笑ったね。悠仁はやっぱり笑ってなきゃ。」
    「…ごめん。俺、勘違いしちゃって。面倒臭いよね。」
    「全然。むしろ嬉しいよ。ヤキモチ妬いてくれたんでしょ。」

    頭に置かれた手が、頬に下がって来て、先生の唇が頬に触れた。

    「それに悠仁を抱いてから、悠仁以外抱いてないよ。」

    真っ直ぐ見つめられて、そんな事を言われたら逃れられるはずもなく。今度は唇が重なる。
    先生とのキスに集中していても、頭の中が先生の言葉でいっぱいになる。
    心臓の鼓動が増すばかり。

    (嬉しくて、苦しい…)
    「っん、はっ…すき…」

    唇が離れた一瞬に、その言葉が漏れた。
    すると先生は身体を離し、俺を抱えるように持ち上げた。

    「ん?え、何?!」
    「ベッド行くよ。」
    「え?!ちょっと、何で?!」

    俺を抱えた先生は、寝室へと足を向かわせる。
    急な事で、頭で処理が追いついていない。
    ぼふっとベッドに降ろされ、上の服を脱ぎ捨てた先生が俺に覆い被さる。

    「あんな風に"すき"なんて言われて、耐えられるわけないでしょ。」

    深い口付けで、息ができない。クラクラする。
    「一旦止まって」と言っても、止まるはずもなく、先生の手は器用に脱がしていくし、直ぐにイイところを見つける。

    「んっ、あっ…!」

    ちょっと強引でも、心地よさがある。
    俺は、これに幸福を感じている。

    「先生、大好き…」

    それの言葉が、頭の中なのか口から出たのかは、自分ではもう分からなかった。
    快楽で朦朧とする意識の中で、確かに覚えているのは、先生からの強い刺激と、絶頂の感覚だけだった。
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    hamjanriro

    MOURNING誕生日ネタ五悠。ゆじだけ事変後みたいになってますので、事変読んでない方はネタバレ注意。謎時空、謎設定。設定に矛盾あったら目を全力で逸らしていただければ幸いです。今更誕生日ネタ書き上げたので供養に。放課後。鮮やかな茜色が校舎を染め上げている。授業こそ終わっているものの、虎杖は赤点だった数学の補習のせいで、いまだに机に肘をついて数学のプリントと睨めっこしていた。五条はそんな虎杖を教壇から楽しそう口角を上げてじっと見つめている。虎杖は分からないとこが分からないという深刻な学習状況の中、五条にヒントを出してもらいながら、ようやく最後の問題を解いているところだった。

    「そういえば明日だね。悠仁の誕生日」
    「んー?あれ、俺先生に言ったけ」
    「僕を誰だと思ってるの。悠仁の担任よ?生徒の個人情報は把握済み」
    「なんか握られちゃいけない情報まである気がする」
    「そんなことないよー、せいぜい初恋の人ぐらい。悠仁は保育所の先生だっけ」
    「それ絶対教育には必要ないよね!てかマジでどこから仕入れてきた!」
    「秘密〜!ねえねえ、明日ケーキ食べようよ」

    五条は待ってる時間に退屈したのか、うんうんと唸っている虎杖に話しかける。プリントから目を離さずに返事をする虎杖は、問題の難しさからか、しかめっ面だ。

    「任務ないでしょ?僕美味しいとこ知ってるんだ。悠仁が気にいるケーキもきっとあるよ」
    「あーごめん先生。 7248