ちょっと考えた不穏な風金 金田一は、依頼者から謝礼として西洋人形を貰います。貰い手がつかず、困っていましたが、だんだん情が湧いてきて、作った服を着せたりしています。
そういう日が一カ月ほど続き、風間は金田一から「見せたいものがある」と連絡を受けて、家に招かれます。すると西洋人形が、ひとりでにクルクル踊っているのです。
最初は「スゴイ、スゴイ」なんて言ってたんですが、風間は人形がだんだん不気味に思えてきます。いつまでもクルクル回って踊っているからです。
「なんだか変だぜ、これの動力は何なんだ?なんで動いてるんだ?」
「しらないよ、そんなの僕には」耕助は気にしていません。
すると耕助が「見て、似てるでしょう」と言って人形の真似をしてクルクル回ります。風間はどこかゾッとしました。人形が、自分の真似をさせて、耕助を踊らせて、操っているように見えるのです。人形の表情が、人間のようなのです。
773