ただいまとおかえり 鍾離が帰ってくるのを待つ生活を始めてから、数日が経った。
夕暮れと共に暗くなってくるリビングに、そろそろ灯をつけなければと魈は立ち上がる。電気をつけると部屋の中にぱっと暖かみが増す。晩御飯を作りだすのに良い時間だと、炊飯器のセットを始めた。
ガチャガチャ。晩御飯も無事に作り終えた頃に、玄関から音がした。鍾離がリビングに入ってくるまでのちょっとした時間は、未だに少しだけ緊張してしまう。家の中のどこにいようか。すぐ顔が見えるリビングのソファで座っているのが良いか、それともすぐに晩御飯が食べられるようにキッチンに行って用意を始めるのが良いか。無駄に家の中をウロウロしてしている間に、鍾離が廊下を抜けてリビングへと入ってきていた。
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