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    srkr4096

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    フォロワーさんが呟いてた尾谷が可愛かったので勝手に書かせて頂きました
    尾谷の家にいい肉が届いた話

    休日の昼下り尾形と谷垣の住む部屋のチャイムが鳴る、台所で茶碗を洗っていた谷垣はちらりと尾形を見るがソファで本を読んでいる尾形は微動だにしない。
    仕方なく水を止めインターフォンを確認しに行けば液晶には宅配員が映る、何か頼んだだろうか?と思いながら「はい」と答えれば「こんにちは〜や○と運輸でーす、尾形百之助様へのお荷物お届けに伺いました〜」と絶妙に緩い声が部屋に響く
    オートロックを解除し尾形の方を見る

    「あんた…何買ったんだ…?!」
    「残念ながらお前が喜ぶ物は買ってないぞ」
    「あんたの買った物に喜んだ記憶がないし何一つ信用してない」
    「おいおい、こないだ買った玩具相当気にい「気に入ってない!!!」

    ギャーギャー騒いでいると再度チャイムが鳴り宅配員の到着を告げる
    あれもこれもと止まる事なく尾形的谷垣が喜んだ物を告げてくるのでなんとかその口を塞ごうと半ば取っ組み合いになり掛けていた所を救われた(尾形が)
    フンっと鼻を鳴らし尾形から離れ所定の位置に置いてある判子を手に谷垣は玄関へ向かう
    扉を開ければ先程液晶に映っていた宅配員が笑顔で箱を持っている、その箱が見るからに上質な紙で包まれており谷垣は目を丸くする

    「尾形様でお間違いないですか〜?」
    「えっ、あ…はい」
    「こちらに判子お願いしまーす」
    「えっと…誰からの荷物ですか…」
    「え〜、花沢様からですね!」

    居間に続くドアを開けっ放しにしていた為ソファに座る尾形がガタッと動く気配を背中に感じながら谷垣は受け取り印を押し上質な紙で包まれた箱を受け取る、宅配員は笑顔で「失礼しま〜す」と扉を閉め出て行くが谷垣は数秒その場に立ち尽くす
    適度に重みのあるその箱は触り心地も優しい生成り色の紙で包まれ何かの間違いでは?と思ったが宛名も送り主も『尾形百之助』と『花沢勇作』で間違いなかった、品名には『食品』と印刷されてあり谷垣はどうしたものか、と思いながらも居間へと戻る

    「返して来なさい」

    居間に入ってすぐの所で尾形がまるで捨て猫を拾って来た時の母親の様に腕を組み仁王立ちで待ち構えている

    「返すも何も…」
    「何故受け取った。花沢と聞いた時点で受取拒否するだろ」
    「そんな事出来ないだろ?」
    「俺は今までそうしてた」

    なるほど、と谷垣は納得した。今まで勇作から荷物など送られた事が無いのに何故?と疑問に思っていたが受け取っていなかっただけだったのか…それもそれでなんて失礼な事をしているんだと谷垣は思う
    尾形の文句を右から左に聞き流しながら箱に視線を落とすと包み紙の下にうっすらと文字が見える、何て書いてあるか判明した瞬間スススッとダイニングテーブルに移動し箱をテーブルに置きゆっくりと谷垣は座る、尾形はその様子を目で追いながらまだ文句を続ける
    完全に尾形を無視して谷垣は丁寧に包みを開け始めた

    「おい…おいっ💢」
    「なんだ?」
    「人の話聞いてたか?返すって言ってんだろ…開けるな!箱から手を離せ!!…ぐっなんて力だッ」

    箱から離そうと両脇の下から腕を通し肩を固定しようとするも谷垣の方が圧倒的に力が強く止める事は叶わない、“開ける”と言う強い意思もあるせいで普段より余計に歯が立たないのだ
    懸命な尾形の努力も虚しく全ての固定箇所を綺麗に剥がした谷垣は「でも尾形、見てくれ」と言いながら箱から包み紙を取り除いた
    包みの下はこれまた上品な漆黒の箱にでかでかと箔押しで『和牛』と達筆に書かれていた
    熊肉や鹿肉は二瓶から送られてくるので食べる機会はあれど和牛、しかも箱からして上等な和牛など食べる事はまずない。そんな良い物が目の前にある、谷垣が目を輝かせながら箱を開ければ中には綺麗なピンク色に美しくきめ細かい霜降りが乗ったステーキ肉が入っている

    「尾形…」
    「ダメだ」
    「尾形ぁ」
    「突き返せ!」
    「尾形…肉に罪はない」

    滅多に見せる事の無い少し甘えた様な顔で首を降る谷垣にとうとう尾形は根負けした、額に手を当てはぁぁ…とひとつ溜息を吐き「チッ……わかったよ」と言えば拾った猫を飼っていいと言われた子供の様な顔で谷垣は笑う
    なんて物を送ってくるんだ…と尾形は肩を落とす、一体これは何ランクの肉なのか…考えるのも面倒になった尾形はまだ目を輝かせるながら谷垣が見つめるその箱をひょいっと持ち上げる
    ちょっとした危機を感じ尾形を見上げる谷垣

    「チッ、なんて顔してんだ…捨てねぇよ、肉に罪はねぇんだろ。お前が焼くと硬くなりそうだから俺が焼く」
    「尾形…いいのか!?」

    先程よりも目を輝かせ嬉々とする谷垣に少しだけキュンとした事は絶対に黙っていようと心に決め冷蔵庫に肉を仕舞い「出掛けるぞ」と手短に告げる

    「何処に行くんだ?」
    「肉に合う酒を買う、お前の金で」
    「う……食費からじゃダメなのか…」
    「お前の我儘に付き合ってやるんだ、お前が買え」
    「……わかった」

    谷垣は財布を取りに立ち上がり居間を後にする、“お前が買え”と言いつつも尾形もしっかりと財布を持つ所が谷垣への甘さが伺える―――


    後日、勇作から鬼の様な電話が掛かってくるが全て無視をするがショートメールでこれでもかと言わんばかりの喜びが綴られた文が届き尾形は白目を向きながらそのメールを削除した



    ――――――――――――――――――
    尾形は自分が使う物をちょうどポチッとしてたのであの一言になってます。
    「これを谷垣に使えば面白そう」と思った物はすぐにポチッとしてしまう所があるのと荷物はよく届く故に谷垣は尾形宛への荷物を警戒している。
    たまにこうして勇作から荷物も届くので尾形も自分宛への荷物は警戒していたが自分の荷物であろうとめちゃくちゃ油断していた為起きた(谷垣的)ラッキーハプニング
    お肉を美味しく食べた後は谷垣が美味しく頂かれるのは鉄板(よかったね尾形!)
    勇作さんはめげずに贈り物を送っては受取拒否され自分の元へ帰ってくる物をしくしくしながら受け取るのを繰り返していますが、今回の荷物は返ってくるのが遅い…と思いや○とに連絡したら「配達済です」と言われ嬉しさのあまり涙を流したとか流してないとか…

    勝手にもそもそ書かせて頂きました!
    楽しかった!最後までお付き合い頂きありがとうございました!!
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