運命春、それは出会いの季節とも言う


今日から僕ら兄弟は地元にある高校に
通うことになる、新たな生活の始まりだ


君を想い続けて1年間
もしかしたら会えるかもしれないという期待と
あわよくば付き合えたりと思うふわふわした気持ち


さぁ、行こう
君がいる場所へ




「いっやぁ〜、まさか初クラス
レオ達と一緒になるなんてさ〜！
これって運命？なんちってー！…いてっ？！」

「うっせぇぞ、マイキー
チッ……なんで高校に上がってまで兄弟と
同じ空間にいなきゃならねぇんだよ」


マイキーの言う通り、内心僕も驚いてる
誰かが意図的に集めないと兄弟が揃うことは
ないはずなのではと思う

嬉しそうに跳ねる弟を殴って黙らせたのは
不機嫌そうな次男、そんな様子を見てある可能性
を考えた僕は少しホッとした


「でも結果的によかったかも？別々だったら
他のクラスで2人が暴れた時、大変だよ
止める人いないし」

「おいこら、ドナ
なんで俺らが暴れる前提なんだよ」

「だってそうでしょ？」

「このコンピュータ馬鹿」

「黙れ、筋肉バカ」


少し煽っただけでいつもヒートアップしてしまう
喧嘩、しかし今日という日は長男も止めるのが
面倒なのか関わらないようにしてマイキーと話す

弟が言うにはなんでも女の子とLINEを
交換したらしい……いつの間に

今はそれが誰なのかという話ではしゃぎながら
指が示すのは窓際の1番前の席


確かに女子が2人いて、1人は黒髪ポニーテール
の女の子でもう1人は白髪ボブヘアー………白髪？


思わずラファと言い合いをするのも忘れて
釘付けになってしまう


彼女だ、間違いない
正面を向いているから顔は見えないけど
あの後ろ姿は僕が想いを寄せる人


『─────～！、～！！』

『──────～？』


何を話しているのか気になる
もっと近くに行って話しかけてみたい



あぁ、神なんて非科学的なものは信じて
なかったけど、この瞬間だけ信じるよ

神様、僕と彼女を同じクラスにしてくれて
ありがとうございます



頬が自然と緩んでラファにお前、気持ち悪ぃ
なんて言われたが無視



今の僕は最っ高の気分なんだ！



1年の片想い

覚悟してほしいな










待ってて、リズさん