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    ヤギみち

    @xxxx_huyu
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    ヤギみち

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    マヨひいss/とどいた宣戦布告
    告白回。ストで天井に隠れてるマヨイさんが一彩くんに呼ばれて出てきたり気配察知されてるの大好きです。

    ##マヨひい

    とどいた宣戦布告 好きだと告げられた。
     なんでもない日のESビルの廊下でのことだった。
     
     射抜くような視線から、あちらには覚悟があったのかもしれない。
     けれど一彩は不意をつかれて、深く考えずに返してしまったのだ。湧き上がる喜びのまま。
    「もちろん僕も、マヨイ先輩が好きだよ!」
    「あっ……」
     一彩の笑顔に対して、マヨイの表情は曇った。
    「――ええと、そうではなくて、ですね……」
    「?」
    「そのぉ…………」
     ひどく目を泳がせている。そのまま俯く姿に、やっとひっかかりを感じた。
     常日頃から一彩は兄や友たちへ愛を叫んでいるが、彼らから返報はそうない。
     まして引っ込み思案のマヨイは、スキンシップすらも固辞して逃げてしまう人だった。そんな人が、覚悟を持って告げる言葉……。
     ――ただ仲間へ親愛を表す言葉ではない?
     ――ならば、マヨイが伝えたかったのは……。
     一歩、踏み込む。
     うるんだ瞳と視線が交わった。
    「……ッ! すみませぇえええん!」
    「っマヨイ先輩!」
     瞬間、青くなったマヨイが転がるように踵を返す。反射的に追いかけるも、曲がり角で後ろ姿を見失ってしまった。このビルは彼の根城だから、追手を撒くのは容易なのだろう。
     それでも、この場から離れていないのはわかる。気配がある。潜めた息づかいに意識を集中した。
     マヨイの様子が蘇る。
     ――強い眼差しと、不安そうに揺れる声色。
     その場でマヨイの名を呼んだ。目の前に姿はなくとも、聞いてくれていると思ったから。
    「ごめんなさい。僕が賢くないばかりに、マヨイ先輩を傷つけてしまったね」
    「……」
     沈黙。一彩は続けた。
    「でも、僕もあなたをすきなのは事実なのだから」
     天井を仰ぐ。
     ――その先に潜んだマヨイまで見透かすように。
     
    「あなたが『そういう意味』で僕を好いてくれたのなら、きちんととして欲しいよ」
     頭上から、ドゴンと大きな物音がした。
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