⋯なんとなく書きたくなったので書いた数個の詩と短歌たちの供養 いずれもフィーリング。若干血なまぐさいものがあったりします。
▼詩
逆流する血液が脳のしわまで熱している。
それこそがきっと、愛しいものの証明で、
誰にも触れられない、そのことの証明。
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特別なものだと思い込んでいた、キラキラの錯覚を教えてあげる。
ノスタルジック、こどものころ、貰える風船、ほそい蝋燭。賛美歌みたいな歌声。確執と離別、血とそのしくみ。
でももう大人だから、一人だから、
ショートケーキだって素足で踏めるの。
やさしくて、あまくて、
やわい生地をひきのばして、
そうしてやっと、やっと私は、
命の冒涜ができる。
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ようこそマリア、導き手。手繰り寄せてまでも包んでほしい。貴方に腕をひかれてそして、何万もの穴になる、私を、見ていて。マリア。
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わたしたちは初潮と破瓜を経て、そしてきっと大人になるでしょう。血とともにあり、内臓を撫で生きる、女とは、生命そのものだから。
▼短歌自由詠(not連作)
すさんだとき指にぶつかる踏んだこともないその原石
内側だけの稚拙さをもって足音怯える18時半
三途までの橋まだ走れるとか悪魔みたい
手垢まみれのからだに透ける 私とあなたのセフィロトの樹
血潮と破水のダンスで痛みだけはいつでも本物
引っ掻いても爪はがれてもクローゼット開けないで約束して
運命なんてそうないから赤い糸とかで殺してあげたい
つめたい風に頬撫でられてやっとどこにでも行けると思った
今更言えないことと握りこんだ鎖の痕の類似性
私たちまともじゃないこと悲しいふりでもしましょうか
地面に落ちたライムライトのわたしずっと冷たかったね
いつまでたっても弱いから爪弾いてまた今度
呪いとか興味ないけどそこにいて じっとしていてゆるされないでね
絶望と現実はクラスメイトで私も混ざりたいから醜くありたい
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