自由研究「ここなら、道徳も倫理も問われない。」
「誰にも言えないことをしませんか?」
男の言葉に、すぐには返事ができなかった。ただ、数ヶ月前の出来事がゆっくりと脳裏に再生されていく。
アパートに戻って来て、部屋の前で鞄のポケットから鍵を取り出そうとしたときだった。
島崎が輝気の肩を掴み、荒々しいしぐさで無理やりに振り向かせた。意表を突かれた輝気が抵抗するより先に、胸倉を掴まれるような体勢で男の体と扉の隙間に閉じ込められた。
言葉を発しようと息を吸い込む間に男の親指が輝気の歯列に割り込んだ。ぐいと上を向かされ、そのまま乱暴に唇をこじ開けられる。そこから男の舌が入り込んできた。
口の中を舐め回されて、初めて知る感覚に輝気は目を見開いた。
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