春ですね。一目惚れ。「彼女、私の部下で新人編集者の🌸さんです」
ある打ち合わせの日、フクマさんが連れてきたのは小柄な新人編集者。見た目からしてどストライク。新卒です!と言わんばかりのスーツ、胸周りに合わせたサイズのジャケットが胸のふくよかさ、体の華奢さを語っている。
『🌸といいます。フクマさんと一緒にロナルドさんの担当を努めさせて頂きます!よろしくお願い致します!』
「あ、はい!こちらこそよろしくお願いします」
〆切の辛さだとさ、フクマさんの圧だとか…そんなのどうってこと無くなるくらい癒される声に笑顔。打ち合わせ中も熱心にメモを取り、フクマさんと俺のやり取りをメモし『あの質問が』おずおずと左手を小さく上げて質問をしてくる健気な姿。可愛い可愛い可愛……
「ロナルドさん?」
「ロナルドさん、聞いてます?」
「ロナルドさん」
「ひぃ!」
不思議そうな顔をする🌸ちゃんから少し不機嫌そうなフクマさんに顔を向ける。え?おれ?🌸ちゃん見ながらぼんやりしてた?
「で、今の案どうでしょう?」
「あーーー」
聞いてませんでした。なにが?え、もう打ち合わせの内容入ってこないわ。
「そーですね…えーー」
手元の資料を捲り、なんの話しだったかと言葉を探すロナルドを見てフクマが🌸を呼ぶ。
「🌸さん?」
『はい!』
「少し、事務所の外で待っててもらえません?」
『え…あ、はい!ロナルドさん失礼します』
「え」
🌸ちゃんは慌てて荷物を抱えて事務所の外へと。
「彼女がいると、どうやら打ち合わせにならなそうなので」
「そんなことは別にないですよ…追い出さなくても」
「そう…ですかね?」
ニッコリしたフクマさんが怖かった。
「あまりにも見つめてらっしゃるので…邪な事考えてたら仕事になりませんよ?」
「な、、ななな、何言ってるんですか…あはは」
「気のせいならいいんです。先程の話に戻りますね?」
(続くかもしれない…)