カナリア解散ライブ 最後の挨拶ボン:
すごい、楽しすぎました。めちゃくちゃ楽しかったです、いま今日、全部やって。
ほんと、どんだけ間違っても僕が、こんな笑ってくれるのか。めちゃくちゃ嬉しいですし、ほんとに、めちゃくちゃ楽しかって。
でも僕が最初に決めた解散でして。解散するっていうのも、僕ほんとに、(ネタを)間違っちゃうんすよ。
無理なんですよ。今日もこんなに10個もネタ覚えられないです。ほぼ全部間違えました。
でも練習したんです。でも、ほんとに無理でして。
でも皆さんが笑ってくれはるんで、ほんと甘やかされて生きてきたなって思って。
僕から安達くんに、もう解散するっていうのは、去年の10月に言いまして。で、M-1グランプリに負けて。
本当僕たち、M-1グランプリを獲る(優勝する)っていうので2003年に組んで、M-1を獲るっていうのが目標でした。
で、2010年に決勝いって、そこからやっぱ売れずに…やっぱり漫才しかやってこなかったしずっと。
ずっと安達くんに(ネタを)作ってもらってやってきました。
そこからまた2017年もずっと漫才、M-1を獲るために、あと1年、あと1年いうてましたけど、でも負けてしまって。
本当は今年ラストイヤーっていうのがあるんですけど、それも僕は出たくないって(安達くんに)言いました。
もう無理なんです僕は。
去年2回戦で負けて、そこから決勝、優勝するには毎日やっぱり稽古するしかないし、漫才のことしか考えないといけないです。出番も増やさないといけない。
いろんな劇場の社員さんに「(出番)入れてください」言うて、すごいそれは…大変なんです。
そう思ったら無理なんです。すみません。
だから安達くんはもうほんと、14年半僕と一緒にM-1獲るためにずっと(ネタを)作ってくれてましたけど、でも僕はもう解き放ってほしいと思います。
解き放ってほしいというか、安達くんもです。お互いに解き放たれて…僕じゃなくていいと思うんですよ安達くんは。
もっといろんな人と、「カケル」というイベント(※安達さんピンの創作ライブ)でもいろんな人とやったりとかありますし。
やっぱり僕に執着しすぎてたんですよ。
だから、解散します。…なんでわろてるんですか?(笑)
だからほんまに今は、なんでって皆さん思うと思うんですけども、いや絶対この先、「あああれでよかったんやな」って思えるときがくると思うんで、僕たちお互い。
僕は「おまえ何ができんねん」って思われるかもしれないですけども、僕は僕でなんかやっていきます。
安達くんはやっぱり才能あるんで、いろんなこと他にも、僕とのM-1ばっかりじゃなくて、1回(それを)手放して、他の人といろんなことやったりとか、他の人と作品一緒に作ったりとか。あと自分で役者とか絶対いけると思いますし。
って思ったら「ああ、あれでよかったんやな」って思えるときが絶対くると思うんで…僕は14年半かかりましたけど、そう思いました。
でも14年半は無駄じゃなかったですし、いろいろ経験して楽しかったですし。なので、そういう思いで変わります。それは伝えたかったです。すみませんでした。
安達:
まず、ずっと何を言うてるか分からないということです(笑)。
去年の10月にボンちゃんから話があると言われて、そのときにはM-1の予選をだいぶ早い段階(2回戦)で負けて、予選敗退してしまったので、ああもう解散を言われるんだろうな。そして(ボンちゃんは)芸人を辞めるんだろうなと。
ここまで一生懸命、まあ言い方は偉そうですけども、よくついてきてくれたなと。
ほんとにあの、すごい言ってしまうんです。あそこがおかしい、ここがおかしい、まず一体何を言うてるんかが分からない。それではとてつもなくボケにくいと。
ほんとに千度言うてしまうというのもありましたし、すごくしんどかったんやろうなあ今までほんとに。
で、それは僕は良いと思って…カナリアにとって良くなるんは、「ええんちゃうあれで、何言ってるかわからんくてもそれがボンの味やし」で済ますわけにはちょっといかない、それが賞レースみたいなこともあります。なのでそういう心労、ストレスもあったんやろな。
じゃあもうボンは大阪に帰って実家の手伝いするなり、芸の道を諦めるんだということで、納得しようと思って「話って何?」って訊いたら「解散したい」。「ああそうか」。
今まであれやこれや言うてほんまにごめんなと。
「どうすんのこれから?」「うん、一人でやる」。
一人でやんのかい。続けんのかいと。
カナリア(解散せずに)おいといたらべつに…まあ言うたら家や。15年ずっとやってきた家を手放すんはちょっとあれなんじゃない?別においとけばええやん。
それぞれで活動して頑張ってやっていって、また戻ってくる場所っていうのはカナリアでおいとけばいいんじゃない?
どうせ(ピンで)やんねやったら足の引っ張り合いもせえへんし、一人でやるんやったらどうぞ、僕は僕で一生懸命やるし。カナリアはカナリアでおいとこうよ。
(でもボンは)「おいときたくない」。おいときたくないんかえ。
でも正直コンビはやりたくないと言っている人間と、まあトリオもそうでしょうけど、(コンビ継続)出来ないです。
もう何やったって、ボケたってつっこんでくれへんねんやろうし。(ネタを)ふってもくれへんやろうし。
こればっかりはしょうがないということで解散を受け入れました。
で、ボンちゃんも今言いましたけども、ほんとに、15年やってきたことをこれから無駄にはしたくないと思います。ああやっぱりカナリアのままの方がよかったのにと皆さんに思われないためにも、僕は僕で一生懸命一人でお笑いを続けていこうと思っています。