人気の台詞「抱かれにきたのか━━━」
マグナスの自室を訪れた夢主は、背中を向けたままの彼に言われた台詞に、心臓が跳ね上がりそうになった。
数回ノックをしたが返事が無く、今夜会う約束を忘れてしまったのか、と心配になり扉に手を掛けると、それはすんなりと開いた。
「マグナス…」
デスクに向かったままの彼に声を掛けようとすると、言い終わらないうちにその台詞を言われた。
なんと返そうか悩んでいる夢主なぞお構いなく、彼は独り言のように続けた。
「この部屋に来るっていうのは、“そういう事”だって、賢い君なら分かっているだろう…」
いつもより低く、掠れた声に乗せられた言葉は、夢主の判断力を鈍くするには十分効果的だった。
…しかし、マグナスはどうしてこちらを向かないのか…夢主が彼の真後ろから角度を変えて見ると、どうやらマグナスはデータパッドで地球の情報を収集しているようだった。
1948