エイプリルフール「鍾離! 大変なんだ! ちょっと来てくれ~!」
「む? パイモン。久しいな。旅人は一緒ではないのか?」
璃月港の三杯酔にてお茶を嗜んでいる鍾離の元へ、パイモンは一人飛んでやって来ていた。
「その旅人が! 助けてくれよ鍾離~! 魈だけじゃ……」
「ほう? 魈も一緒なのであれば、尚更俺の手は必要ないと見える。何か別の問題があるのだろうか」
パイモンは魈や旅人の名前を出せば、すぐに鍾離は立ち上がって来てくれるだろうと思ったのだ。
しかし、肝心の鍾離は未だ座ったままである。なんならもう一口、と茶を飲んでいた。こんなに危機迫った演技をしているはずなのに。なんでだよ! とパイモンは憤っていた。
「魈が卵をあっためてて、ヒナの世話をしているんだぞ~!? なんか、こう、大変そうで! これが緊急事態じゃないなら何でお前は立ち上がるんだよ!」
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