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    kabopuli_3

    マイハンの呟き部屋。色気があるものもここに置きます。

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    kabopuli_3

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    先日、桐箱さんから頂いた
    イツキ君とヤコちゃんがジャナフ狩猟に行ったあとの話がすきすぎて小説書き殴りました!

    ジャナフ狩猟事件の後の話
    桐箱さん宅のハンターさんをお借りしました!
    素人文章ですが、大陸のように大きな心で読んでいただけると嬉しいです!




    「ユキナリイー!!君宛に文が届いてるよおお!」

    普段より張りのある声でウツシがユキナリを呼んだ
    どうやらこちらに用があって飛んできたフクズクに驚いたのだろう。

    フクズク本人も少し困り気味だった為、
    こちらに来るよう指笛で呼び寄せた

    「……おや貴方はイツキさんのとこの」

    イツキのフクズクから逃げ惑う教官を横目に文を受け取るユキナリ
    文には「妹を迎えに来い」とシンプルな内容だったが、成る程これは…と
    一つの仮説が浮かんだ。

    「伝言ありがとうございます」とフクズクを飛ばし
    ユキナリは物陰に隠れている教官の元に駆け寄る
    「教官、申し訳ございませんが先に里に戻らせて頂きます」

    「それとフクズクはもういませんよ」とまだ近くにいると思い込んでいる
    我が師匠に優しく伝える。

    鉄蟲糸技を編み出し、それでいて恩師、双剣の腕で彼の右に出るものは
    いない。それほどまでの実力を持っているのに
    愛らしいフクズクに過剰な程、苦手意識を持っているのはなんだか笑えてくるというか…
    いや、これ以上悪い考えを巡らせていると感づかれそうなのでここら辺にしておこう。

    「えーと…文にはなんて?」
    先程の失態からか気まずそうにしながらウツシは聞く

    「大したことではないんですが、ヤコが「ヤコに何かあったのかい!?」

    やや食い気味に聞いてきた教官に驚きつつも先ほどの仮説を述べた。

    「以前教官にも言いましたが、知り合いのハンターに彼女のクエストをお願いしていたんです…しかしヤコ本人が何かやらかしたみたいで」
    あくまで予想ですがねと肩をすくめるユキナリ

    「大ごとじゃなくて良かったよ…しかしヤコ自身に何かあったのは確かだ、
    こちらの任務は一通り片付いたしあとは俺の方で対処しておくよ」

    「押し付けてしまう形で申し訳ありません、
    お礼として今度美味い酒と料理ご馳走させてください」

    「そんな気を使わなくていいよ!お前は俺の一番弟子なんだからさ!」

    教官にバンバンと力強く背中を叩かれユキナリは「ありがとうございます」と一言残し翔蟲を使って急ぎ足で里へと向かった。








    「…やってしまったぁぁ!」
    自宅というより、ユキナリの家で1人項垂れる少女は
    今起きている状況を理解しようとひとり頭を抱えていた。
    いや実際、混乱しすぎて状況など理解しきれていないだろうが…。

    「落ち着け私…さっきまでイツキ先輩とアンジャナフの狩猟しててそれで……あーー!!」

    そうだ思い出した。
    狩猟の最中にヘマをして1乙してしまったのだ。
    それだけじゃない、あろうことか感情が爆発しイツキを目の前にして
    大泣き、終いにはあやされた彼の腕の中で寝落ちをかましてしまったのだ。
    赤くなったり青くなったりするヤコの表情にルームサービスも
    「ヤコ…顔色が悪いのを超えて、なんだかえらいことになってるニャよ?」
    と心配されてしまう始末。

    「体調が悪いわけじゃないんだけど…いかんせん精神的ダメージがひどくてっ…」

    胸のあたりを抑えるヤコ、目にはうっすら涙さえ見える。
    それもそうだろう、狩猟中あんなにフォローしてもらったのに自身は何も成果をえられず泣きべそをかいて、迷惑をかけてしまったのだから。

    そういえば狩猟で身につけていた防具もボックスの近くで綺麗に整えられており、今は着流しになっている、身体も汚れてすらない、寧ろ怪我をした箇所に応急処置までされている。


    (きっとイツキ先輩やサイ先輩がやってくれたんだろうな…)

    手当をしたり、衣類等を変えてくれたであろう恩人たちの顔が浮かぶ。

    (きっとクエストリタイアの手続きも…)

    考えれば考えるほど自分の失態が露わになっていき、もう半泣き状態である。

    「いっ…今ならまだ集会所にいるかもしれないっ!」

    せめて謝罪だけでも!!!と布団から飛び起き、引き戸に手をかけた瞬間
    (この時、ヤコの汗の量は尋常じゃなかった)

    「あぁ…やはりここにいましたか」

    「………………………」


    終わった。


    いつも開けている天窓から入ってきたのだろう
    今一番会いたくない人の声が背後から聞こえた



    「ゆ……ユキ兄、任務でしばらくいないって言ってなかったっけ…?」



    「イツキさんから文が届きましてね」



    貴方を迎えに来いと書いてあったので帰ってきたんですよ、と手荷物などを脇に置きユキナリはヤコに向き直った。

    「見る限り、大きな怪我はなさそうですね」

    片方の手を腰に当てながら怪我に確認でヤコの身体を見るユキナリ

    声音から特に怒ってはなさそうだけど……

    (といっても、お面つけてるから…わからん)

    ユキナリはいつものように黒塗りの狐の面をしている為、表情が読めない
    それに彼は露骨に感情を出すタイプではないので余計にいま何を考えているのかわからないのだ。

    (もしかしたら、ものすんごくおこってるかも)
    なんともいえない空気に居た堪れず、自身の着流しを握りしめた。

    「ユキ兄………」

    俯きながら自身の名を力なく呼ぶヤコ、
    いつも元気な彼女がここまで落ち込むのは珍しい。

    そういえば急いで帰ってきた為、面を外していなかったなとユキナリはつけていた面を外した。

    「…元気がないようですね、クエスト中に何かありましたか?」

    彼女の身長に合うよう目線を合わせ、優しく問いかけた

    勢いよく顔を上げた彼女の目には、溢れんばかりの涙

    「っ!!!ユキにいいー!!」

    ユキナリの顔を見て安心したのか溜まっていた涙がダムのように決壊し
    ユキナリの胸に抱きついた。

    「ごめんなざい!!イツキぜんばいに迷惑かけちゃったーー!!」

    わんわん泣き出すヤコをあやすように背中をさすり、頭を撫でた。







    しばらく時間が経ち、
    ヤコが落ち着いてきた頃を見計らい、ユキナリは静かに話し始めた。

    「なるほど、そうゆうことでしたか…
    安心してください、私は怒っていませんしイツキさんも同じ気持ちだと思いますよ?」

    「………ほんと?」

    しゃくり上げながら見上げてくる彼女に「ええ」と装備している手で傷つけぬよう
    頬に伝う涙を優しく指で拭った。

    「ハンターは助け合うものです、互いの命がかかってますからね
    狩場でミスをしてもメンバー同士で補い合うんです
    イツキさんはハンターとしてすべきことをしたんですよ」

    「……すべきこと」


    そっか……と納得したのかヤコの涙はいつの間にか止まっていた。


    「ユキ兄、ありがとう
    なんとなくだけど…ユキ兄の言ってることわかった気がする」

    「少しずつで構いません、貴方なら私の言った事が
    きっとわかると思いますよ」

    そう言いまた優しくさすってやるとヤコは嬉しそうに胸元で頬擦りをした。

    「……………あと今更なんですが」

    「?」

    「私……ここ数日風呂に入ってないのであまり良い匂いはしないと思います」

    気まずそうに頭をかくユキナリ、気にはしていなかったが
    確かに土や汗が混じったような匂いがする。
    しかしヤコもハンターの端くれ、これくらいなら慣れている。

    (それに、ユキ兄だからむしろ好きだな)

    さっきの気持ちはどこへやら
    ヤコはヘヘッと笑いながら抱きつく腕を一層強くした。

    「こらっヤコ!せめて風呂に入らせてくださいっ!」

    「じゃああとでイツキ先輩がいるとこに一緒に来てくれる?」

    「わかりましたっ!わかりましたから離しなさいっ」

    「やったーー!」

    イツキ先輩達には、助けてくれたお礼として団子とリンゴ飴を持って行こう。
    ヤコはイツキ達のことを考えながら、軽く身支度をするのだった。


    END

    おまけ

    後日、ユキナリはヤコのボックスからジャナフ装備を見つけ、
    地獄のかくれんぼがあったとかなかったとか。
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