「ヒーローにかまってほしいルクバンif」 ねえ、かまってよ。
早春のある日の午后、コジュケイの声に遠く耳を澄ませながら隣で雑誌を読むヒーローの顔を横目で見つめて、そう、視線で言ってみる。ヒーローは熱心に今日発売のバスケットボール専門誌を読んでいた。熱く、欲望に満ち々たその視線に気付く様子もなく。
三……、ううん、もう五日も前だよ。僕たちがしたの。ヒーローは……あんまりするの好きじゃないのかな。僕は、毎日したいと思っているのに。……いや、もしかして僕がおかしいのか? ヒーローにされたことを思いだしながら毎日自分で……しながら、それでも足りなくて、ヒーローにさわってほしいと思っている、僕が、変なの?! だからヒーローは、いつもそんないやらしいことばかり考えている僕のことを、もしかして、もしかして……
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