駅前のカフェで。「もし私が...お見合い決まったら、どうする?」
「え....」
リーの反応は予想通りだった。目を見開いては徐々に瞳から光が薄れていく。唐突に話し出したのもあるが、これは"もしも"の話だ。ボンボは続ける。
「あのね...。お母さんからずっとかけられてた話で、まだOKはしてないんだけど。『もういい歳なんだから』って、勝手に。まあ最終的に決めるのは私だから、まだどうとも言えない。急にこんな話ごめんね」
リーは首を左右に振り、意外な答えが返って来た。
「...正直、俺自身はやっぱり嫌だよ。それで決まろうが決まらないだろうが、いつかボン姉が惹かれるような男が現れたらって思うと...。
でも、それはボン姉の人生だから。ボン姉が幸せになれると思う人を選んだ方が良いと思う。好きな人の幸せって自分も幸せになれるでしょ?それでボン姉のサポートが出来るならそれだけで充分だよ」
「アプローチは続けるけどね」と最後に照れ臭く笑っていた。こんなことを言われたら余計複雑な気分になるではないか....。しかしどことなく寂しげな様子でホットコーヒーを一口飲む。
「....ありがとう。リーにこんなこと話してもって思ったんだけど、モヤモヤが少し晴れた気がする。令和ぐらい好きなタイミングで結婚させて欲しいわ」
「そうだね。その代わり相手がクズだったら即殺すよ!」
彼のニカッとした笑顔にボンボは飲んでいたコーヒーを吹いた。