🤕→(←)🕹←⛓妄想殴り書き数々の試合を乗り越えるなかで時間をかけて🕹と信頼関係を築き、🤕が「チームメイト」以上の感情を抱くようになったころのお話。
途中から荘園にやってきた⛓は同じく機械工学に精通する🕹に興味をもち急接近する。
🕹も最初は警戒したものの、共通の話題がある⛓に心を許すし、このふたりが互いに嫉妬したり尊敬したりしながら仲を深めていくのを蚊帳の外から眺めるしかできない🤕は、⛓に激しく嫉妬するようになる。(⛓が来るまでは🤕に懐いてつきっきりだった🕹も、🤕と二人だけの時間があまりとれなくなる)
そんな最中で追い打ちをかけるように、⛓から「彼女に人として興味があるんだ。これがいつ、俗に言う、恋愛感情になるかはわからないが」と(実質的)宣戦布告を受け、初めて自分の🕹に対する気持ちを自覚する🤕。
しかし「囚人」と名乗るわりには育ちの良さが垣間見える⛓と、後暗い過去を持つ自分を比較して、「アイツの隣にいるべきなのは俺じゃないんじゃ……」とネガティブに考えてしまうし、血に塗れた自分の姿を見た🕹が恐怖して、拒絶する悪夢を見てしまう(実際に🕹が🤕の過去を否定したことなんてないのに)。
それからは目に見えて不機嫌になるわ、試合中は注意散漫だわで試合参加メンバーからも外され、「頼れるかっこいいナワーブくん」としての自分も失ってしまう。
嫉妬、葛藤、劣等感で感情がぐちゃぐちゃになって自暴自棄になった🤕は、夜遅くに🕹の部屋に押しかける。ノックもなく乱暴に入室してきて、明らかにいつもと様子が違う🤕に驚く間もなく、🕹は両手をとられて壁に無理やり押し付けられる。
「痛っ……ねえっ!どうしたのナワーブく……」
言いかけながら🕹が見上げると、自分に覆い被さる🤕は光のない目でこちらを凝視している。
「なあトレイシー、俺が怖いか」
そう問うと、案の定🕹は目を潤ませ、言葉に詰まっている様子だった。
「そうだよな、俺なんて――
「怖いよ……怖いけど……」
「怖いけど、それより君が心配だよ。今のナワーブ君、あのとき……君が初めて暗号機に触ろうとしたときと同じ顔してる」
そう🕹に言われてハッとする🤕に、🕹は続ける。
「あのとき私が言ったこと、覚えてる?私が不安で怖くて動けないときはいつも君が助けてくれるように、私も、君がつらいときはそばにいたいしサポートしたいんだって」
自分より一回り体格が大きい🤕に迫られて、少し体をこわばらせながら、でも毅然とそう言い放つ🕹を前に、🤕は「ああ、俺は🕹のこういうところが好きなんだ」と思い出す。
悪かった、と泣き笑うような表情をする🤕を見て、🕹は「私にとって、人の心は機械の修理より難しいけど、でも、もし🤕くんが苦しいと感じているなら、話くらい聞きたいよ」と言いながら🤕に軽くハグをする。そんな🕹の頭をくしゃくしゃ撫で「ありがとな」と返して、でもお前が好きでつらいんだなんて🕹にだけは教えてやれねぇわと思う🤕。
次の日、相も変わらず何かの議論をしている⛓と🕹のところに🤕が割って入って、⛓に「俺負けねえから」と宣言すると、⛓は🤕の心境の変化に気づいて、「牽制するつもりだったが逆に発破をかけてしまったようだね」と肩をすくめる。今度は自分が置いてけぼりになった🕹のほうは、彼らは悪夢の影の話でもしているのだろうかと気にも留めないが、周りのサバイバーたちには彼女の後ろに散る火花がバチバチと見えていたというのはまた別のお話。