いつか巡り逢うその瞬間 厄災ガノンの本体、ガノンドロフが目の前に立ちはだかっている。
目を剥くスピードでこちらに伸びる怨念の手から逃れることは出来なかった。聖剣・マスターソードとそれを握る己の右手は怨念にじわじわと侵食されていった。
右腕に走る激痛に意識が飛びそうになる。
特に、マスターソードに触れている手のひらは言葉に出来ぬほど痛かった。まるで“マスターソード自身の”痛みが、繋がった部分から流れてきているみたいだった。
「リンクっ!!」
後ろから己を呼ぶ叫び声が聞こえた瞬間、激痛で霞んでいた意識が現実へと押し戻される。
ハッとして後ろを見ると、まさに今この瞬間、ゼルダが裂けた大地に飲み込まれようとしていた。
「…っ!」
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