Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    いくと

    類司のえっち垂れ流しです
    18↓は立ち入り禁止
    @ikuto_1234

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 21

    いくと

    ☆quiet follow

    さすせん☕️🌟 全年齢版小説

    初恋シンパシーずっと昔から憧れの対象だった貴方の姿が

    今では眩しすぎる。






    初恋シンパシー






    「俺は、司先輩が好きです。」

    咲希さんへの誕生日プレゼントを決めるべく、本日は司先輩と近くのデパートへ寄っていた。

    つい、口走ってしまった言葉だ。

    「オレもお前のことが大好きだぞ!」

    司先輩の言葉に、思わず頬が弛緩する。

    …だが、司先輩が思っている好きと、俺の思っている好きは別のものだ……と思う。

    抱き寄せて、視線を絡め合えば少しは意識されるのだろうか?

    しかし、司先輩が嫌悪感を抱くようなことがあれば…

    どうにも、気持ちの整理が付かない。

    俺は、司先輩に恋をしている。



    自覚をしたのは中学2年生の春。

    司先輩が卒業する春、離れ離れになってしまうのではないかと大層焦っていたところ、受験勉強の合間に何度も小さなショーを見せては、励ましてくれた。

    司先輩のショーを見ていると、胸が高鳴り、つい笑みが溢れてしまう。

    思えばきっと、その前から好きだったのだろう。

    2人きりでお泊まり会をした時は、司先輩が俺用の布団に麦茶を溢してしまい、どうしようもなく2人一緒にベッドで寝ることとなったのだが、当然心臓がこれまでにない程音を立てていたのを覚えている。


    「どうしたんだ冬弥?ボーッとしていたが……もしや、体調が悪い訳ではないだろうな!?」

    「あ、いえ。少し昔の事を思い出していただけです。今でもこうして司先輩と一緒に買い物に来れるなんて、幸せな事だな、と。」

    「そう、堂々と言われてしまうと、その…少し照れるな。まあだがあれだ、冬弥がそこまで言うのなら、この天馬司!何百回何千億回でもお前と買い物に行こうじゃないか!」

    照れた拍子に少し色づいた頬、恥じらうように逸された目線、動作一つ一つが愛らしく思えてしまう。

    この頬に手を添えて、血色の良い綺麗な唇に………

    「?とう…………ん、……ッん!?」

    俺の唇にふにゃりと感じる柔らかくて温かい…?

    「…っは!?つ、司先輩、す、すみませ…」

    意識をしてもらう為に『抱き寄せる』なんて事をしようと思っていたのに、その数段階上まで飛び級してしまった。

    これでは嫌われて__

    「冬弥、咲希にはこのヘアピンなんてどうだろうか?」

    嗚呼……意識どころか、恋愛対象とすら見られていなかったのだろう。

    心臓が止まったような気分だ、緊張と気まずさで指先の震えが止まらない。

    「よし!これに決めるとしよう!」

    くい、と司先輩が俺の手を握り、そのまま手を引いていく。

    「……オレがまだ返事もしてないうちに、そんな顔をするんじゃない。」

    「す、みませ…」

    半ば強引な力で手を引かれている為表情はわからないが、心なしか司先輩の耳が…赤くなっているような気がした。


    可愛らしいレモンイエローのプレゼント用小袋に包装されたヘアピンを鞄に入れた司先輩は、『まだ時間があるのならば、オレの家に来ないか?』と、提案した為、俺もなんとなく行かなくてはいけない気がして『はい』と、二つ返事で返した。



    「さあ、上がってくれ。まあ、今日は夕方まで家にはオレしかいないのだが…と、今茶を出すからな!」

    「俺も手伝います。」

    「客人が自分に茶を出すのか!?」

    「…では、お言葉に甘えて。」

    「何故不服そうなんだ、もしや茶を淹れる趣味でも…」

    何やら小さな声で独り言を言う司先輩を横目に、ソファーへ腰を掛ける。

    ぼんやりとしたまま黒い液晶を眺めていると、紅茶を淹れた司先輩が、テーブルにティーカップを2つ置いてくれた。

    その音で漸く視界が明瞭になり、心配そうに顔を覗き込む司先輩が映る。

    「なあ冬弥、オレ、好きな人がいるんだ。」

    時が止まったかのように感じる。

    「そ、そうでしたか、金輪際司先輩の邪魔はしませんので…」

    「ちがうっ!」

    「…!」

    司先輩の声が鼓膜に響き渡る。

    驚いたまま司先輩の方を向くと、今にも破裂してしまいそうな赤面のまま俺の両頬に手を添えて、そのまま

    「…わ、わかったか冬弥」

    「…?」

    キス、した…?

    「わかったかと!聞いているんだ!!」

    「わかり…ましたっ!」

    追いついていなかった脳が漸く到着すれば、先程の出来事を最も簡単に理解できるわけで、これは、つまり。

    「司先輩好きです。司先輩でないと駄目です。俺の恋人に……なってくれませんか?」

    目の前の人物に精一杯の真剣な態度で人生で初めての告白を送る。

    「勿論だ、冬弥。」

    刹那、首裏に腕が回されて額同士が触れ合う。

    サラサラとした前髪の感触と、柑橘系の甘酸っぱいシャンプーの香りが心地良い。

    赤い頬に唇を落とすと、俺より少し小さい体で身じろぐ仕草が可愛らしい。

    「冬弥…」

    名前を呼ばれるだけでこんなにも胸が締め付けられる。

    「司先輩、もう少しだけ…」

    「いいぞ、こい」

    ソファーへ司先輩の上体を軽く押し倒し、1番唇が深く重なる角度でキスをする。

    するりと太腿を撫でた手は振り払われてしまったが、その分負けじと貪るように唇を奪っていく。

    折角淹れてくれた紅茶はそろそろぬるくなってしまうだろう。





    ___________________


    オレはお前を弟のような存在と思う事で、気持ちにブレーキをかけていたんだろう。

    それに、男同士ということもあり、最初は”この気持ち“を世間体を気にしてほんの少しだけ躊躇した。

    誰かに相談したかったが、類はこういうのには疎いだろうし、咲希に言うのはいかんせん気恥ずかしい…なんとなく、だが。

    つまり相談する相手がいなかったんだ。

    しかしあの時お前がキスしてくれた。

    最初は驚いたが、お陰で今のオレたちがあるんだ、感謝すべきだな。


    「冬弥、おはよう朝ごはんできてるぞ。」

    「んん………」

    「おわっ!?ん、むぅ…」

    「美味しい朝ごはんですね。」

    「オレはごはんじゃない!ほら、起きて一緒に食べるぞ。」

    「わかりました、司」



    continue…?
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💖👏😭🇱🇴👍🇻🇪💖💕💖💯💞🙏👍☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works