路地裏(下記途中)ミカグラ島の夜は華やかだが、だからこそ一本道を外れた際の闇は深い。DISCARDなんて組織が蔓延っているならば、特に。
今夜、その情報を求めて向かった店は、DISCARDには関係無く、しかし見過ごせない悪事をおこなっているという、当たりか外れかよくわからない事態を巻き起こしていた。悪事は、二人後脱出した直後の公安が抑えているだろうが。
その悪事の被害者となったルークは、汚らしい路地裏の壁に手を付いて吐いている。潔癖症であるチェズレイが見れば卒倒しそうな状況だが、怪しいドラッグを盛られた身としては正しい行いだろう。
その店の罪はドラッグと、知らずに店に入った人間の売買。それを知らないフリをして振る舞った結果が今のルークであった。
出されたドリンクにドラッグが盛られているとわかりながら飲んだのは、店舗内にいた人間の反応を確認するため。結果、無事に店舗内にいた組織の上層部の人間は確保できたが、そこそこに即効性があったため、ルークはアーロンに運ばれた先、裏路地にて飲み干した薬を吐く羽目になっている。
「落ち着いたか、ドギー」
「取り敢えず吐けるものは吐いた……」