eyes on me 見られている。
気づいた時にはすでに視線があった。だからいつからなのかはわからない。だって沢山の視線を集めてんだ。そのひとつひとつに意識までは出来ない。
なのに、何故だ。
あいつの視線が引っかかって、気にするようにしてみたらいつも俺を見ていることに気が付いた。
同じ部隊のときだけじゃない。
敵でも、試合外でも、こうして打ち上げの時も。
他人が気付かない程度に、でも確実に見られていると感じる。
だからといって、俺がトイレに立っても着いてくる訳じゃない。目で追うでもなく、またカウンターに目を流してグラスに口付けている。
用を足して、薄暗い空間に裸電球でスポットされた鏡を見る。
そこに映るのはどうってことないいつもの俺だ。
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