【魈蛍】涼を求めて「あーーーつーーーいーーー!」
「もう、パイモン騒がないで。余計に暑く感じる。」
じりじりと肌を焼く陽射しに、つぅ、と背中に汗が伝う。炎スライムを抱きしめたかのように全身が熱い。水分補給はしているけれど、それ以上に日差しが強くて干からびてしまいそうだと蛍は照りつける太陽を睨んだ。
「でもよぉ、お前だって暑いだろ〜? 汗すごいぞ」
「そりゃ、こんなに気温が高かったらね。」
ぽた、とこめかみから顎にかけて汗の粒が流れていく。酷く喉が乾いて蛍はふぅ、と息を吐いた。
「凡人は脆いな」
こんな気温でも汗ひとつかかない魈に蛍は仕方ないんだよと笑い、暑い暑いと騒ぐパイモンを撫でた。
「うーん、なにか涼しくなるものってあったっけ」
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