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    はねみな

    ( ╮╯╭)<ほどよく

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    はねみな

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    🐉🔥
    慣れてない🔥さん

    どきどきする。
    「カブさん」
    逞しい腕がぼくの腰を抱き、優しくて甘い声が少し高い位置から降ってくる。
    「こっち向いて?」
    ね、とおねだりをされ、恐る恐る顔を上げると、優しくて甘い表情が視界に飛び込んできて、また顔を伏せたくなってしまう。
    どきどきする。どうにかなりそうだ。
    「すごい顔してる」
    こつ、と額を当て、ふふ、と笑う。鼻先に吐息が触れ、ぼくの顔はどんどん熱を持ち、多分ほっぺたは真っ赤で、泳ぐ視線はどこを見ていいのかわからない。
    「ごめんね、でも慣れて?」
    腰を抱く腕に力が込められ、ぐい、と引き寄せられる。腰とお腹がぴったりとくっついてしまって、身体はどこもかしこもがちがちで、どうしようどうしようとそればかりがぐるぐると頭の中を回っている。
    どきどきする。おかしくなりそうだ。
    「ちゅーするよ?」
    からかうような口調が飛び出すや否や、ぼくの唇に柔らかいものが触れていて、柔らかさと暖かさとは反対に、ぼくは固く目を閉じる。
    「いや?」
    嫌じゃない。小さく首を振る。
    「よかった」
    目を閉じた向こうで微かに笑った気配がして、もう一度軽く触れられた後、
    「今日はこれだけ」
    そっと身体と腕が離れていったので、ぼくはゆっくりと目を開けた。
    「顔、真っ赤」
    大きな手が頬を撫でる。
    「ごめんなさい」
    もう一度謝られて、謝るのはぼくの方で、でも、
    「ちょっとずつ、慣れてくれると嬉しいです」
    微笑む視線がとても優しくて甘いから、
    「……うん」
    がんばります、の意味を込めて、頷きながら手に頬を擦り寄せた。

    全部君が初めてだから、ちょっとずつ。
    どうぞよろしくお願いします。
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