書きかけ服をめくり、上半身を見ると乳首が見えた。
ー薄桃色でよく見ないと気が付かない程のちいさい乳首だった。
その光景を見て思いとどまるどころか、おいしそうに見えてしまい駄目だった。
「っ、なに、やめっ…」
制止の声など聞こえない振りをしてその小さい乳首に唇を寄せて貪りつく。
甘い、いや人の身体に甘い部分なんてある筈がないなんて頭では分かっているのに甘くて仕方がない。
軽く歯を立てて先端を舐めると身体が震えて身をよじられる。
「んっ…」
痛かったかもしれない、と思ったが漏れた声は甘く抵抗する力が緩んだ。
快楽に変換されているのだと読み取り、更に快楽を与えるために左側の乳首を人差し指と親指で側面を摘まみ、擦り合わせる。
「ーっ!」
声が出せないほどの快楽なのか、荒い吐息しか聞こえないが髪の毛をくしゃりと掴まれることからして何かに縋りでもしないと辛いのだろう。
正直なところ、髪を掴まれると動きにくいのだがここで注意をすると気が逸れてしまい、行為が中断されてしまうかもしれないと考えて何も言わないでおく。
しかし、ふと考えると合意の上ではないのだから髪をつかんで引き離すなら理解できるのだが、それをせず掴むだけということはその行為を彼が望んでいるように思えるのは気のせいだろうか。
なんて、都合の良い考えを持つ自分に自嘲する。
そんなことを考えている間に片方の乳首を放置したままだったと思い、指を軽く濡らして先端を擦る。
「っや…」
身体が跳ねて甘い吐息が漏れる。
思わず顔を見ると頬を染めて恥ずかしそうにしていて普段とは違う仕草にゴクリ、と生唾を飲み込む。
あまりにも淫靡な光景に興奮が抑えきれなくなりそうだ。
快楽に溺れている今、ドロドロに蕩けさせて抵抗する気力を無くそうと考える。
口から乳首を離して唇で先端を挟みながら舌先で擦りながら上目遣いで彼を見ると真っ赤になっている。
「み、ちゃ…やだ…」
思った通り、声に甘さが更に増して腰が揺れ始める。
自分から仕掛けておいて今更だが、思った以上の痴態に罪悪感と背徳感が混じり合う。