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    あめ☂

    魔入りました!入間くん中心雑多垢。
    アズイル・イルアズ多めその他雑食です。
    なんでも食べて特殊性癖もいける奴なので注意してください

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    【注意!】
    ・本誌ネタバレ、捏造あります
    ・完全妄想のエイト→アリスです

    苦手な方お気をつけを

    #魔入間【腐】
    #腐
    #エイアズ

    黒兎は奈落の底の夢を見るか「いやぁ、さすが黒兎くん。今回も、見事なお手並みだったよ!」
    「どうも……」
     支配人の世辞に、僕は生返事をする。
     「黒兎」──裏社会での僕の呼び名だ。
     もともと、ここでは秘密裏に闇オークションが開催され、人身売買が行われていた。
     僕が来てからさらに大きく利益を伸ばし、今や国内最大級の規模にまでなったのだ。
    「別に、情報隠蔽くらい造作もないことさ。身内からの、惜しみない協力もあることだし」
    「はは、それもそうか。なんたって君は、エリート警察官でもあるからね。イフリート・ジン・エイトくん」
    「……ここで、その名で呼ぶのはやめてくれないかな?」
    「ああ、すまないすまない。それにしても、国家警察という立場を利用して、人身売買やオークションの情報隠蔽だなんて悪い男だねぇ」
     支配人の男は甲高い声で、いやらしく笑う。全く、ゲスでいけすかない男だな。
    「なんとでもどうぞ。僕は国のためなら、悪人にだって鬼にだってなるよ」
     この世は、お綺麗な正義だけではやっていけない。人身売買は、まごうことなき罪だ。しかし一方で、莫大な経済的利益を上げ国を潤していることも事実。
     そのおかげで発展し、国民の生活水準の向上につながっている。また財政が潤えば、軍備の強化もたやすい。外国や、犯罪組織の脅威にさらされる確率も減るだろう。
    「最大多数の最大幸福」──かの学者の言葉だが、実に合理的で美しい言葉だと思う。
     ほんの少しの犠牲で、大多数の国民の幸福と安全を得られるなら安いものだ。
     むしろ、なんの犠牲もなく国を支えるなんて
    、とうてい不可能なんだ。これは必要なこと。
     たとえ売買される子どもを生贄にささげても、僕はこの国を良くしてみせる。
     これこそ僕の正義……なんて、あのアスモデウス・アリスが聞いたらどんな反応をするかな?
     きっとあの綺麗な赤い瞳を嫌悪に歪め、僕を責めるだろう。炎のように熱く、折れない剣のように真っ直ぐな心を持つ、可愛い後輩。
     国家警察予備校の寮で、僕達二人はいつも一緒だった。僕が身の回りの世話をして、体術を仕込み、そして正義を教えた。
     優秀なアリスはどんどん吸収し、すぐに警察のホープとなった。彼もまた、自分の正義のためなら、自己犠牲をいとわない人間だ。
     だから僕の口車にまんまと乗って、前科すら背負って、僕達の邪魔をする巨大マフィア「バビル」に潜入した。
     なんて愚かで、哀れで、愛おしい。正義だと信じて疑わない僕や国家警察の一部が、裏社会と繋がってると知ったら、きっとアリスは絶望するに違いない。
     僕はタバコを懐から一本出すと、火をつけて深く吸い込む。南国の果実の甘い香りが、肺を満たしてくれる。
    「フフフ、黒兎くんがいれば、このオークションもずっと安泰だね」
     支配人は卑しい笑みを浮かべ、僕を覗き込んでくる。
    「さぁてね、どうかな? ご期待に添えるようには努めるよ」
    「なんの、君なら問題ないさ。素早いウサギのように、しっぽもつかませないだろう」
     ああ、自分に災いがかかるなんて考えもしない。なんて頭のおめでたい男だろう。せっかくのタバコが、まずくなりそうだ。
    「これでも、君の能力は信頼してるんだ。お互いウィンウィンで、上手くやっていこうじゃないか」
    「それはそれは、光栄のいたり」
     僕を信用? つくづく、馬鹿げている。この会場と参加者の豚たちと同じように。
     ここは、「不思議の国のアリス」に出てくる、悪趣味な世界そのものだ。
     横暴な女王、いいなりのトランプ兵。茶会を繰り返すイカレ帽子屋、こそこそ逃げ回る、僕みたいなウサギ。
     このオークションは、いかれた悪徳の世界だ。ただ一人、まともなのはアリスだけ。
    「君は、闇オークションの守護神だ。これからも、ずっと楽しくやろうじゃないか」
     ずっと? 何を言っている。罪は暴かれ裁かれるもの。僕はきっといつか捕まり、相応の罰を食らうだろう。その時は支配人、お前も一緒に落ちるんだよ。それも、不思議の国なんかじゃない。暗く深い奈落の底にね。
     それは、欲で肥え太った参加者の連中も同じこと。
     ただ、そんな資格はないことは承知の上で、一つだけ望みが僕にはある。
     僕を捕まえるのはアリス、どうか君であってほしい。
    「ふふ……」
    「ん? どうした? ずいぶんごきげんだな」
     支配人は、訝しそうに僕を見てくる。どうやら、いつのまにか笑っていたようだ。
    「いいえ、別に……」
     アリス、僕のアリス。どうか逃げる黒兎を捕まえておくれ。ちゃんと待ってるから。
     悪夢をみながらずっとね。




     
     
     
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