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    tatatanme_n2n

    @tatatanme_n2n

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    tatatanme_n2n

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    イベネタになります。某騎士に邪魔されるオエさんのお話。パッと思い付いたネタの走り書きです。一応オーカイ。妄想の産物です。こうだったらいいな!

    おまえなんかにやらん 本日は快晴、上空には白い影。
     白い影が見下ろす先には、赤毛の騎士が一人。
     カインめがけて白い影が手を向けたその時。
    「っ!」
     一陣の風が、ごう、と青空を吹き抜けた。
     たった一点だけを狙いすまし、まっすぐ突き抜けてくる風は、自然というにはあまりに不自然であり。
     そして白い影はわざわざ動いて風を避けた。
     まるで、触れたら危険だと言わんばかりに。
    「……ちっ」
     奇妙な事にそのまま渦を巻き始めた風に、舌打ちを一つ残し。
     ちらりとカインを見下ろした影は、そのまま空気に溶けるように消えたのだった。


     また、別の日。
     談話室で南の魔法使いたちと会話するカインを、後ろから覗く目があった。
     にい、とその目が歪み――不意に見開かれる。
     後ろに一歩下がると、その空間をを鋭い気配が薙ぐ。
     その場に佇んだままであれば、手傷の一つも負っただろう鋭さは、手加減というものを感じない。
    「……」
     目を細めた影は、何を考えたのだろうか。
     不吉な沈黙の後に、再び姿を消した。


     そして、三度目。
     森へと歩みを進めるカインを遠目に見ながら、オーエンは顎を上げて厄介な新参者へと口を開く。
    「……邪魔。生者にしがみついてみっともないと思わないの? おまえに相応しい墓に帰りなよ」
    「…………」
     風が集まり、そこに一つの気配が生じる。
     透明な『なにか』の塊。しかし、オーエンの目には、どこかの誰かを連想させる赤毛が映っていた。
     イライラと眉を寄せるのは、はたして何が原因か。
     自身の邪魔をする愚かな身の程知らずに、どうして言葉一つかけるのにも間を空けてしまったのか。
     否、わかっている。
     わかりたくないから、わからない振りをしているのだ。
     騎士。主君を守って死んだ騎士!
     
     ――カインの、幼き頃の憧憬。騎士を目指したきっかけ。

     いっそ狂った亡霊であれば手を出せただろう。
    (忌々しい……っ)
     訳知り顔でカインの前に立ちふさがるその騎士を、どうしてか力で排除できない。


     オーエンが爆発する、その一日前の出来事だった。
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