青を棚引かせ(本文未完)表紙https://twitter.com/huziyasatuki/status/1526919405929889793t=5ruu8BwhSz5c-mKow5lxgA&s=19
「梓睿(ズールイ)、いい加減起きなさいよー!」
調理場からの母の声がうるさく目覚めを促した。
「はーい、今起きるー。」
すでに真上を越えた太陽に学校がない休日といえど寝過ぎたことを悟る。
校服を整え、髪紐を結びながら調理場に顔を出した。
「おはよー、妈妈。」
「分かってると思うけど全然"おは"やくないわよ。」
それなりに大きい一門皆の食事を用意するための大きいお玉を握りながら器用に指を指された。
「まあ、それは構わないわ。梓睿、あなた今日で成人だって分かってる?これ、お父さんから成人祝いだって。」
「まだ、子供でいたいなー。なんて。」
わざと甘えたことを言いながら、じゃらじゃらと音のする財布と手紙を受け取った。
[梓睿成人おめでとう。
すまない今年も仕事で一緒に祝えそうにない。
だが、お前も大人の仲間入りだ。
母さんが渡してくれるお金で遊んできなさい。
きっといい経験になる。
このことは母さんには内緒にな。
愛してる、父]
ほう、とうとう俺も賭け屋で大人の仲間入りか。
今まで同期達が我先にと遊ぶのを眺めるだけだった梓睿には一番嬉しい知らせだった。
「遊びに行くんだったら、ご飯食べて行きなさいよ。」
「あ、そう友達と遊びにね?」
早速母さんに賭け屋に行くことがバレたのかと心臓が跳ねた。