ハイエンド達のIF物語いつも通り他愛もない話をし起きる頃合いだろうとATが解散の合図を出したが誰一人席を立つものはいなかった。その意味はただ一つ、自分の帰る世界を失ったと言う事だ。
皆そのことを察し、ATは茶化す様に腹を抱え笑いながら言い放った。
「まさか皆仲良く同じ日にスクラップになっちまうなんて笑っちまうなァ!」
その言葉にM伝は「貴様と同じ日が命日だなんて虫唾が走る」と憎まれ口を叩いたがその声は淡々としていて、いつもの突っかかるような口調ではなく皆、珍しい事も合ったもんだと思った。
SGは扉が気になりポツリと呟いた。
「どこに繋がってるのかな…」
「オールスパークだったりしてな」
PがSGの独り言のような呟きに返答すると現実逃避をする様に携帯エネルゴンを吸い始めた。
「もし本当にそこに繋がっているなら大切な人の記憶がなくなって造り直されるなんて絶対嫌!皆でここに居ようよ!?皆がいれば寂しくないでしょ!?」
Ⅱの言葉はハイエンド達の心にストンと落ちた。
皆大切な者を置いて逝ってしまったのだから当然のことだ。
この世界(夢の中)が崩壊しない限り彼等は此処に留まり続けることにした。
ある日ATが姿を消した。
考えられるのはただ一つ。昨晩と言ってもここでは時間の概念が無いに等しく彼らの感覚で言うと昨夜は泥酔する程、飲み明かした。
ATは出会った当初から頭のネジが何本か抜けている事を知っていた彼らは酔った勢いでATは何も言わず一人であの扉の向こうに行ったのだと察した。
彼がいない時を過ごしていると扉の向こうに行ってしまったATが彼らの前に現れた。
「向こう見てきたぜ!」と明るい声で言い放ったATに皆、飛びかかる勢いで詰め寄った。「向こうはなんだ!?」などと質問攻めに合い「話すよりも見た方が早い」と言ってATはニヤニヤと背後の扉を親指で指した。
一体扉の先はどこに繋がっているのだろうか…
ATの言葉に突き動かされいつもの堂々としたATの背を追う様に皆その扉の向こうへと足を踏み入れた。
※ここから下は解説
彼等の夢の中に現れた扉の先はよそ様のバースや実写版などのその他のバースにつながる不思議な扉です。
彼らのいる夢の中は特殊で様々なバースが一束になっている場所と思って頂ければわかりやすいです。
様々な世界に干渉できるという事もあり、この謎の扉を通り続け様々な世界に足を踏み入れた彼らは時空警察に追われるお尋ね者になります。
彼等を捕まえられるのは時空警察だけですが彼等は一頻り暴れた(抵抗)後、自分たちの世界に逃げ込むため時空警察は手を焼くことになるでしょう。