倒錯と劣情【オルセイ】 オルテガの部屋にあるカウチはでかい。
男二人でも余裕で寝転がれる余裕があるせいか、彼の部屋でくつろぐ時は大体このカウチでゴロゴロするかベッドでイチャついているかのどちらかだ。
今だって食後の時間に俺はカウチで寝転がり、オルテガがその隣に座って資料を読んでいた。俺はそんな彼の顔を下からじっと見上げている。
見れば見るほど良い男だ。
体格も顔立ちも性格も全て最高。オルテガ以上に良い男なんてこの世にいないだろう。
高く通った鼻梁。意志の強さを示すような眉。秀美な顔立ちは俺の前でだけ蕩ける。鮮やかな夕焼け色の瞳が今は資料を真剣に見つめているのだけが少々気に入らない。しかし、真剣な横顔もまた良いもので。そんな横顔を眺めながら俺より厚い唇を見て、ふと悪戯を思い付いて体を起こす。
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