流れないでペルセウス「さあ出掛けるよ、密くん」
そう言って唐突にアリスは立ち上がった。
午後4時をすぎたというのにまだ太陽はジリジリと頭上を焦がしている。楽しみにしていた新発売のマシュマロアイスもあっという間に平らげてしまって、涼しさはもう何処にもない。寧ろ自分自身がアイスみたいに溶けてしまいそうなくらいだ。
密は暑い、と出来る限りの面倒臭そうな声色で誘いを断る。
「でもここに居ても暑いではないか。どうせ暑いなら出かけるのも悪くないだろう?」
「......面倒くさい」
どのみち暑いとかそう言う問題ではない。面倒くさいものは面倒くさいのだ。
密は諦めてくれと言わんばかりにソファの上で寝返りを打って誉に背を向ける。
すると、後ろからボソっとした呟きが降って来た。
2002