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    kiribako_game

    @kiribako_game のマイハン創作メモ&落書き置き場。うちよそ落書き多め。

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    先日、かぼぷりさんにキャッチボール気分で軽くボール(幻覚)を投げたら、ドッチボール級の豪速球(幻覚)が返ってきたので「これはちゃんと書かねば!」とキーボードに向かいました。楽しかったです。うちの子メインではありますが、楽しんでいただければ幸いです。勢いのまま書き散らした落書きなので、後から加筆修正するかもです。というかすでにしています。

    ##うちよそ

    【うちよそ】ジャナフ狩猟事件【MHR】【事の経緯】ジャナフ狩猟事件(かぼぷりさん命名)
    桐箱のメインハンターのイツキとかぼぷりさんのサブハンターのヤコちゃんとマルチでアンジャナフ狩りに行く→うっかりヤコちゃんが1乙する→桐箱が1乙して泣いちゃうヤコちゃんやクエスト後の幻覚を壁打ちする→かぼさんが自分の子中心の小説を書く→桐箱がうちの子中心の小説を書く←イマココ

    【あらすじという名の幻覚】
    ヤコちゃんとイツキが一緒に狩猟に出る→アンジャナフ狩猟中に、ヤコちゃんが1乙→全力で泣きながら謝罪→イツキが宥めている途中で、ヤコちゃん寝落ち→クエストリタイアして、ヤコちゃんの里に戻ってきたよ←イマココ

    【登場人物】
    ヤコちゃん:かぼぷりさん里のハンターちゃん。妹。今回は寝ている。
    ユキナリさん:かぼぷりさん里のハンターさん。兄。今回はお名前だけ。
    こばちちゃん:ヤコちゃんのオトモアイルー。愛い。

    イツキ:双子の弟。今回のメイン。
    長雨:イツキのオトモガルク。名前は「ながめ」
    サイ:双子の姉。やや過保護。
    ツツジ:年の離れた姉。ブラコンシスコン。

    うちのハンターたちについては、ポイピクやツイッターのモーメントに色々置いてあるので特別ご興味のある方はどうぞ。




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





    クエストをリタイアし、ユキナリとヤコの里に帰還したイツキたちは、ユキナリの自宅前までやってきた。腕に抱いたヤコは、今もすやすやと寝ている。

    「こばち、長雨と広場に行ってイオリに手当てをしてもらってくるといい。それと、今回のことを報告をしてほしい。頼めるか?」
    「ニャ…で、でも」
    「ルームサービスもいるだろうから、こっちは大丈夫だ。布団に寝かせておく」
    「ぼ、僕、皆やイオリに合わせる顔がないい……ニャ」
    「……」

    耳も尻尾も垂れ下げ、こばちの瞳には今にもこぼれそうな涙が溜まっていた。普段はお調子者で元気いっぱいのこばちだが、今はその面影もすっかりなくなっている。どこか主人に似ているアイルーを見て、イツキは頭を撫でてやりたくなったが今はあいにく手がふさがっている。代わりにそっと言葉で応えた。

    「大丈夫だ」
    「ニャ…?」

    こばちの濡れた両目がイツキを見上げる。

    「誰もこばちを責めたりしない。お前はちゃんとヤコを守った。それに、俺の慢心が招いた事でもある。お前にだけ非があったわけじゃない。分かるな?」
    「うう…ニャ…」
    「ほら、ヤコが起きた時にお前がボロボロのままだとまた泣いてしまうぞ。いってこい」
    「……はいニャ」
    「ん。いいこだ」

    素直なところも、主人に似ているのかもしれない。

    「長雨」
    「ワゥ」

    名を呼ばれたイツキのガルクは、尻尾を振った。

    「弓、運んでくれて助かった。もう少し預かっていてくれ。里に戻ったら、たんまり干肉をやるからな。もうひと頑張り頼む」
    「ワン!」
    「ん。こばちのことも頼んだ」
    「アオーン!」

    自分はまだまだ元気だぞ、任せろ、とでも言うように長雨は力強く鳴いた。思わずイツキは笑みをこぼした。

    「ははっ、またあとでな」

    そう言って別れたのが数分前。今、イツキは途方に暮れていた。

    「やれやれ……」

    居ると思われたルームサービスが、あいにくの不在だったのだ。
    イツキは囲炉裏近くの座布団に腰を降ろし、ヤコを腕に抱えたまま一息ついた。

    (ヤコが目覚めるのが先か、ルームサービスが来てヤコを布団に寝かせるのが先か、ユキナリが任務から戻ってきて……殴られるのが先か……)

    ヤコの兄であり、ハンター仲間でもあるユキナリはまだ任務中で、教官共々不在のようだが、イツキのフクズクである賀楽に文をつけて飛ばしたから直に戻ってくるだろう。

    (話せば分かる奴だが……まあ、一発は殴られるだろうな。ユキナリ、ガタイがいいから本気で殴られたら流石に回復薬1本じゃ足りねえよな。サイとばかり狩猟に出ていて、油断した俺が悪いが)

    幼い寝顔を晒しているヤコを見下ろす。

    (幸い、大事には至らなかったが……今回はただ、運が良かっただけだ。すぐ応急処置はしたし、ゼンチ先生も大丈夫と言っていたから、後は寝かせておけばいいな……呼吸も落ち着いている。しかし、どうしたものか)

    イツキの服を掴んだまま、腕の中でヤコは安らかに寝っている。相当、疲れたのだろう。未だに起きる気配はない。クエストリタイア前に散々泣いたせいで、目元が赤くなってしまっている。冷やしてやらないと、と思うにも身動きがとれない現状に、イツキは思わずため息をこぼした。

    防具を解いて、着替えさせてやりたいが、流石に憚られる。普段から姉二人の身体を見慣れているとは言え(風呂上がりに半裸で歩き回ったり、インナーで寝る姉たち)年頃の娘が異性に身体を見られるのは、嫌なはずだ。ヤコに対してやましい気持ちなどこれっぽっちもないが、それとこれとは別問題。どちらにせよ、この現状は一人ではどうにもできないのだった。

    イツキが再び深いため息をついた途端。
    ばーんと派手な音と共に引き戸が開かれ、突然の来客を告げた。

    「イツキ!無事!?クエストリタイアして帰ってきたようだけど、何があったんだい!?」
    「イツキ!ゴコク様から、ヤコが怪我をしたと聞いたぞ!大事ではないと聞いたが、容態は!?お前の方は怪我はないな!?」
    「…………はあ」

    イツキの姉のツツジとサイだった。
    どうやら大社跡の探索(生態調査)ツアーに赴いていたツツジと、同じく大社跡で任務を遂行してきたサイは共に帰還したらしい。

    (いいところに来た。って今の声で起きないのか、ヤコ)

    慣れというものは恐ろしい。二十年近く、この二人の姉に囲まれすくすくと育ったイツキは、もはや「うるさい」と煩う気すら起きないのであった。慣れとは恐ろしい。

    「ツジ姉、サイ。ヤコが寝ている」
    「おっと、ごめんね」
    「すまない」
    「ヤコは問題ねえよ。泣き疲れて寝ているだけだ。ゼンチ先生も大丈夫だって言っていた。俺も怪我はない」
    「ああ、良かった…!でも、ゴコク様からクエストリタイアの話を聞いた時は肝が冷えたよ」
    「まったくだ。しかし応急処置もしているし、呼吸も安定している。大事ではなかったんだな」
    「ふむ。この子が噂のユキナリくんの妹君か。可愛い子じゃあないか」
    「姉さん、ヤコと会うのが初めてだな」
    「だね。おっと、立ち話をしている場合じゃあないね。早く着替えさせてあげないと」
    「ああ、防具のままでは流石にな」
    「……助かる」

    話が早い姉たちだ。イツキが口を挟む暇などない。なにかと察しの良い姉たちに、昔から甘えてしまっているとイツキは自覚があった。

    「サイ、着替えを頼めるかい?私は外した防具を整えておくから」
    「了解。イツキ」
    「ん、頼んだ」

    ヤコをサイに預けたイツキは、御簾を降ろし、ツツジはアイテムボックスから着替えの着流しをサイに手渡した。サイは早速ヤコの着替えに取り掛かった。

    (これで一安心だな……)

    座布団に再び腰を下ろしたイツキを、ツツジは隣に座りじっと見つめた。

    「イツキ」

    おもむろにツツジは両手を広げ、微笑んだ。

    「……」

    年の離れた、双子にとって親代わりでもあるツツジは、幼い頃からイツキやサイをよく抱き締めた。おはよう、おやすみ、いってらっしゃい、おかえり。日々の何気ないやりとりのなか、ツツジは二人を抱きしめ愛情を与えてくれる。それは今でも変わらない。ツツジは「里の英雄」となった双子を「家族」として甘やかすのだった。
    イツキは素直に、ツツジの肩に頭を預けた。ツツジの掌が、イツキの背中をさする。

    「よく帰ったね」
    「ん」
    「二人とも無事で良かった」
    「……ああ」
    「おかえり、イツキ」
    「……ただいま、ツジ姉」

    しばらくして、イツキはそっと立ち上がる。

    「……外で待ってる。ルームサービスも来るかもしれねえからな」
    「うん」

    外に出ると、二匹のオトモガルクが並んで座っていた。サイの臙脂のオトモガルク、東雲。そしてツツジの白銀のオトモガルク、雪月だった。

    「……東雲、雪月」
    「クゥン」
    「ワウ」

    名を呼ばれた二匹は、イツキにすり寄ってきた。

    「ん、俺も長雨も大丈夫だ。ありがとな」

    イツキが頭や顎を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振ったり、顔をより強くすりつけてきた。この二匹のガルクも主人たちに似ているようだった。

    「着替えが終わったぞ」

    サイが自宅から顔を出し、ツツジもそのあとに続いた。

    「ありがとな」
    「上出来だったよ、サイ。さて、ユキナリくんもこちらに向かっているようだし……後のことはルームサービスくんに任せて、私たちは集会所で休むとしよう。ね?ルームサービスくんへの置き手紙を書いたから、大丈夫だろう」
    「同意。茶でも飲んで、ユキナリさんの帰りを待とう。クエスト帰りで腹がすいたし、団子を食べたいな」
    「サイは四六時中腹をすかせているでしょう」
    「うむ、否定できない」
    「あはは。燃費が悪いね、相変わらず」
    「……いや」

    イツキは口を開き、和気藹々と話す二人を遮った。

    「俺一人で待つ」

    イツキのその言葉を聞いた二人の姉は互いに視線を送り合い、何かを察した様子だ。

    「そうか。では私たちは先に里に戻っておくか」
    「そうだね。イツキ、里で待っているよ」
    「またあとでな、イツキ」
    「ああ」

    東雲と白金を連れて、船着き場へ向かう姉たちの背中をイツキは見送る。

    「さてと。ユキナリが来るまで、腹くくっておくか」

    そうつぶやくと、イツキは集会所に向けて歩き出した。
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