分厚い紙の束を取り出すと、つやつやとした様々な色合いが目に飛び込んでくる。
グリーン、ホワイト、パープル、レッド、イエロー……派手な色が多い割に、目に優しいと思えるのは、きっとそれらが自然と調和していた色だから、なんだろうな。
大ぶりの葉野菜に手をのばして、またよくわからない植物が入っているな、と首を傾げる。
世界中をひっちゃかめっちゃかにかき回し続けている「ピアノの先生」から送られてくる荷物は、半分が彼の綴るうつくしい筆致の手紙で、もう半分は野菜で埋め尽くされていることがほとんどだ。時折、隙間には僕の仕事に役立ちそうなので、等と書いたメモや資料が入っていることもある。惜しげもなく呈されたそれらに目を通すと、何故か自分が追っている真っ最中、外部に漏らしているはずのない隠匿された事件にかかわりのある証拠や証言が記載されていたりする。助かる……と手放しで喜べるような状況じゃないよな、と思いながらも、対処が取れないままだ。
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