○○(大紡)流しっぱなしのシャワーの音と立ちこめる湯気の中、熱い舌が口の中をかき回す音と二人の息づかいが響く。
たまには一緒に入ろっかという大和の誘いを断り切れなかった紡は、浴室の壁と彼の腕に囲まれ、身動きが取れぬまま濡らされていた。
「んんっ、や、まとさんっ、ん、どうしたんですか……」
「喋らないで。キスできないから」
「でもやまとさ……んんっ」
僅かな抵抗も許されぬまま、紡の唇はまた大和に塞がれた。
指先は濡れた肌を滑るようになぞって、紡のカラダを包み込む。
唇を塞いでいたはずのそれはいつのまにか首筋の落ちて、ちゅうと強く、
「や、だめですっそこは見えちゃいますからっ」
「……見えなきゃ意味ないんだけど」
「ダメですっ」
「はぁ。じゃあここには付けない。その代わり俺としたこと忘れられないくらい気持ち良くしてあげるよ。だから今日はずっと“好き”って言ってて」
「そんなこと言われなくても、大和さんのことずっと好きですよ?」
「うん。知ってる。でもおにーさんが酷い男にならないためのお守りみたいなもんだから」
「ほら、言って」
「大和さん、大好きです」
「うん。もっと言って」
「んっ大好き、ですっ」
「……うん」
何度も言葉にして確認しないと安心できないなんて、紡を信じてないわけじゃないはずなのに――
今度は優しくキスをして、そのまま二人で快楽に溺れる。
ワードパレット
【赤い快感の跡】
「シャワー」
「見えない場所」
「確認」
タイトルの「○○」は大和さんが言葉にしたくないと思ったので伏せました。
ので、ここに こっそり書いておきます。
タイトル「嫉妬」大紡