過去作品②隼人)「おーーーーれだっ!!」
昴)「ぅわっ…―ビックリしたー。いきなりなに(笑)それより今日は随分と機嫌がええなぁ隼人。身長でも伸びたんか?」
隼人)「そう。それも2センチも!つーか『でも』ってなんだよ。馬鹿にしてんの?」
昴)「いや、別にそういうつもりではなかったんやけど。それに、隼人は隼人のままやもん。変わらんよ。」
隼人)「(口角をヒクつかせながら)…昴のそういうストレートなとこ、嫌いじゃねェよ?けどな…」
――バンッ
隼人)「俺だってあと少ししたらお前の身長なんか軽く追い越すんだからな。そしたら―」
昴)「そしたら…なに?」
隼人)「昴。俺がお前を見下ろせる高さになったら、俺から昴に渡すものがある。」
昴)「隼人から僕に?でもなんでそんなに身長気にしてるん?」
隼人)「昴の身長越したら、少しでも格好がつくだろ?お前に可愛いとか言われるのはヤなんだよ。」
昴)『ぁ、拗ねた。隼人には禁句なんやろうけど、こういうところが可愛い。懐かない小動物みたいで、思わず抱きしめたくなる―』
昴)「隼人はかっこええな。ほんまに今日はどうしたん?」
隼人)「別に…ただ、いつもお前がからかってくるのに、いい加減むかついただけ。」
昴)「…なるほど。はぁ…わかってないんやなぁ隼人は。ほんまは言うつもりはなかったんやけど…僕は隼人のことが好きやで。それこそ僕の生きていく中で一番必要なくらい、な。からかったりするのは…たぶん、僕の照れ隠しや。隼人にしかせえへん。隼人は?今の隼人は僕のこと、どう思ってるん?」
隼人)「お、俺は…――」
昴)「僕はそのままの隼人が好き。かっこいい隼人も可愛い隼人も全部、独り占めしたいくらい。」
隼人)「ぉ、落ち着け昴。恥ずかしいから一度離れろ!――…俺も昴が好きだ。その真っ直ぐな瞳も、俺に向ける優しさも、温もりも全部…本当は俺から言うつもりだったのに。くそっ…。」
昴)「隼人!ありがとう。隼人もこんなに僕のことを考えていてくれてたなんて嬉しい。」
隼人)「昴…。なんか、ごめんな。結果的にお前から言わせる形になって。」
昴)「ううん…ううん、ええねんそんなん。僕は隼人がいてくれるだけで…それだけで充分や。」
隼人)「昴。改めてこれから兼業、よろしくな。」
昴)「隼人、兼業って…?」
隼人)「相棒、兼…――恋人?」