友達になりましょう 昼休みの誰もいない空き教室は薄暗く、カーテンの隙間から漏れる陽光が埃をきらきらと輝かせていた。
喧騒から遠く離れたそこは恰好の告白スポットだった。だからというわけではないが、水戸は今からきっと告白されるのだろうと確信を持っていた。
自分より高いところにある相手の顔を眺める。ひとつだけカーテンが開いた窓から射す光はその人を照らすスポットライトのようだった。
赤く染まった頬が柔らかそうなその人は、視線を彷徨わせたまま口を開けたり閉めたりしている。かれこれもう三分ほどこうやっているが、見ていて飽きないので急かしたりはしない。
「あのさ、水戸」
意を決したように声を発した。水戸はできるだけやわらかく聞こえるように返事をする。
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