血を飲むのが下手でいつも服と肌をべちゃべちゃにする白い吸血鬼の紡乃世。腕力はないし隠密性ゼロだけどその見た目の美少女っぷりとコミュ強を発揮して街の人間たちから少し血を飲ませて貰ったり、逆にお金を貰ったりして生きていそう。信者が居る。
お腹を満たすために街にやって来たある日、どうしても誰も相手が見つからなくて、空腹に絶えきれずに本能的に通りがかりの人間を襲うんだけれど、何故か牙が全く通らなくて「?????」とおろおろする。奇襲失敗しているのに危ない。
そんな自分よりもちっさくて、謎に白い女の子のそんな姿が酷く不憫に見えてしまって、吸血鬼とは分かっているし襲われた側だけれど、自分の腕の柔らかい部分を教えて血を吸わせてあげる人間の青山。
吸血鬼つのせは吸血が下手なので、腕から飲んで血をこぼして血でお互い血でべちゃべちゃになる。めっちゃ謝るつのせと、「次、気を付ければ良い」とか言っちゃった青山。
それからちょくちょく血を貰いに来るようになる吸血鬼に人間は「余計な事をしたな……」とは思っている。けれどもあげる。つのせは少食だからそんなに量飲まないし、青山も(筋肉量的に)血の量多いから「まあ、いいか…」とズルズルしている。
腕から吸血することがいつまでたっても上手くならないから、青山が自分で指先をナイフで切って飲ませて欲しい。「いただきます!」」と吸い付くつのせ。与えてる方は「乳飲み子か?」と何とも言えない気持ちになっているし、飲んでる方は「これはこぼさないで済むから服が汚れない!」くらいにか思ってない。
つのせは吸血鬼の例に漏れずに料理上手だから、自分の家に青山を招いて「いつも血をくれてありがとう会」をすればいいと思います。青山は「なんだこの吸血鬼…」と思ってる。
得意な変身はちっさいフルーツコウモリだったらかわいい。青山の頭の上にとまってるコウモリつのせ。普段から浮遊出来るけれど目線が高くてキャッキャする。落としそうで怖い青山。
「最近詞音の姿を見てないな…」とちょっと心配していた青山が仕事帰りに夜歩いていたら、街角に佇んでいる血で真っ赤になっている紡乃世を見つけて、久しぶりとかまたそんな汚してとか怪我じゃないよな?とかの心配よりも前に、「オレ以外の血を飲んだのか」って嫉妬に似た感情を持ってしまって動揺する。