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    irok_am

    @irok_am

    壁打ち/自由倉庫

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    irok_am

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    住所不明だった🎋の話 3/4

    「気になんねん」
    「何がすか?」
    「アイツの一挙手一投足が…」
    「いっきょしゅいっとうそく」
    「もう俺アカンかもしれん。恋かも。ラップよりJPOPの歌詞書いた方がええかも」
    「いつから気になってんすか?」
    「えーいつやろ…気ぃ付いた時には時すでにお寿司…いや遅し…」
    「はぁ」
    「あ、でもあの時かも」
    「あの時?」
    「俺でいいって言ってくれた時」
    「主語言ってほしいっす」
    「めっちゃはしょるけど、前にアイツにな、俺みたいな女の子と付き合ったらええやん〜みたいな話をしてん」
    「簓さんみたいな女の子って、期間限定特殊クラスSSRって感じっすね」
    「うん?うん……そしたらアイツ、それならおまえでいいだろって言いよってん」
    「話盛ってません?」
    「盛ってへん!」
    「その時ドキッとしちゃったんすか?」
    「……そうかもしれん」
    「吊り橋効果中だったとか」
    「ううん」
    「お酒飲んでたとか」
    「酒は飲んどった」
    「……」
    「……やっぱ気の迷いやろかな」
    「でも男でも惚れるってのは分かりますよ」
    「せやろ!?」
    「ハイ」
    「ハイ…ってなんやこれ」
    「傘っす」
    「それは分かるで簓さんも」
    「左馬刻さん傘持たずに出てったから迎えに行ってあげてください」
    「まじで?」
    「はい。勿論傘は一つでいいと思います」
    「いやよくはないやろ…俺とアイツ合わせたら肩幅何センチなると思ってんねん」
    「なんで一本なんだよって言われたら、さっき女の子に貸してしまったって言えば好感度アップ、イベント発生です」
    「何を言うてるんや」
    「はは、いってらっしゃい」



    「左馬刻……」
    「なんだよ」
    「迎えに行ったらおまえ女の子とおったよな」
    「は……?」
    「しかも結構楽しそうに喋っとって、俺びっくりしてんで。なんや左馬刻もええ感じに女の子と話せるやんって」
    「……はぁ?」
    「はは、何その怖い顔」
    「いつの話してんだ」
    「覚えてへん?」
    「全然覚えてねぇわ」
    「傘持って迎えに行ってんけど、おまえ見つける前に傘をな、俺子供に貸してもうて」
    「……」
    「一本しか無かったけど、やっぱ困っとる子には優しくせんとな」
    「ああ……簓がすげぇ濡れて俺んとこ来た時か?」
    「そう、雨もちょい弱まって、もうこれやったらこのまま左馬刻に会いに行こって…それからまだ雨降ってんやったらコンビニで傘買おかって感じやったわ」
    「……簓が来たのは覚えてる、それまでの事は覚えてねぇ」
    「ほんまに?女の子の事も?」
    「覚えてねえ、たぶん適当に喋ってたんだろ」
    「そうか〜?俺が声掛けへんかったら二人で帰ってたりせえへん?」
    「知らねぇよ、テメェが声掛けたんだからそれでいいだろ」
    「ふふ…俺左馬刻の女の子イベント阻止してもうたんやな」
    「おまえ……大丈夫かよ……」
    「へーきへーき……そんで……あれやねん、傘手放した後に雨、急に土砂降りになって、俺叫んだわ、めっちゃおもろかった」
    「……俺より濡れてたもんな」
    「そう、一張羅が台無しやったわ」
    「髪もびしょびしょだったな」
    「せやで、でも水も滴るええ男やったやろ」
    「…………そうかもな」
    「左馬刻くん、簓くん」
    「……おう」
    「あ、センセー」
    「大丈夫ですか?」
    「大丈夫やで〜」
    「大丈夫じゃねえわ、昔のこと急に喋り出した」
    「現物を確認したけれど記憶混濁の違法マイクの様だね……失礼……うん、眼球運動がやや乱れていますが…持続力が弱いので、眠れば正気になりますよ」
    「そうか……」
    「そんな顔せんと左馬刻、ちょっと車酔いみたいな感じなだけやで」
    「一応大事をとって、今日は安静にしてくださいね」
    「オオサカに帰んのは?」
    「帰らないと不味いですか?」
    「一応仕事でトンボ帰りのつもりやってん、ホテルも取ってへんし…まぁすぐ取れるやろうけど」
    「マネージャーさんは?」
    「今日は帰らしてもうたわ…」
    「そうですか…左馬刻くん」
    「あ?」
    「彼、笑ってはいるけど本調子ではないので…」
    「だろうな」
    「もし都合が良ければ、簓くんを送ってあげる事は出来るかい?せめてホテルまで…私はこの後戻らなくてはならなくて」
    「ああ……つーか、だったら俺様んとこ来たらいいだろ」
    「え?」
    「ああ、それなら一晩付いていて貰えるので安心だね」
    「ちょちょちょ…」
    「簓くん、君は三半規管にもダメージを受けているので下手に歩けないと思うよ。違法マイクの効果だから、私のラップでも正当に解除出来ない…申し訳ない」
    「た、確かに立ったら吐きそうやな〜ってのはあるけど…センセが謝る事ないで〜」
    「この症状と事例はお風呂に入って一晩眠れば良くなるから、左馬刻くんお願い出来るかな」
    「おう」
    「えっおうって……」
    「どうせ無理したって良くならねえんだろ。甘えとけ」
    「う……」



    「……すまん左馬刻…肩借りてええか」
    「好きにしろや」
    「アカンアカン冗談や…運転手の肩借りるわけないやん…」
    「……」
    「……いやぁ、久々にマイク喰らったらやばいなこれ」
    「……あんな雑魚にやられやがって」
    「はは……喰らったけど勝ったやん…俺かて勝ちだけは譲らん…」
    「あのマイク流通させた奴は押さえといたから、もうばら撒かれることはねーだろ」
    「手際早…ヤクザやん…」
    「……テメェ、ベッドか床どっちで寝てえか言え」
    「な、何やその二択…」
    「ソファが壊れてんの忘れてたわ」
    「壊れてんの…?」
    「この前銃兎が余計な事言いやがったから殴ろうとしたらよ」
    「怖すぎやろ…」
    「あのウサポリ避けやがって、そしたらソファ殴っちまって壊れた」
    「ゴリラやん…」
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    recommended works

    ちょびを

    DONE祓本パロ。悟が収録中に日ごろの傑への不満を訴える話。前後の話2本ほどまとめて支部にのっけます。
    ちどりさんの某番組ネタとか諸々参考にしてます
    来週もまた見てくださいね! カチンコが鳴り、スタジオに心地よい緊張が広がる。
     女性アナウンサーが透きとおった声で口火を切った。
    「さぁて始まりました、『これだけ言わせて!』今週はゲストに俳優の七海健人さん、灰原雄さん、そして女優の家入硝子さんをお迎えしてお送りします」
     セット外にいるアシスタントがタオルを振り、観覧席から拍手と黄色い悲鳴があがった。順調な滑り出しにアナウンサーは小さくうなずいた。横一列に並んだゲスト席を向くとわざとらしく目を見開き、上ずった声を出す。
    「ってあれ、五条さん? なぜゲスト席に座っているんです?」
    「どーも」
     軽快に手を振る五条悟と私、夏油傑のお笑いコンビ祓ったれ本舗。
     2人がメインMCを務める冠番組『これだけ言わせて!』は、ゲストが持ち込んだ提言を面白おかしくイジり、番組内で叶える構成になっている。モテないと悩んでいる先輩芸人がいれば大改造に取り組み、いっぱい食べられるようになりたい! と言うゲストがいれば、私と悟も1週間のフードファイトに付き合ってきた。
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